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T!ps – 空調設備 –

公開日:2022年8月5日

業務用エアコンは「修理と買い替え」どちらがお得?費用やメリットも

冷暖房の効き、電源、水漏れなど、業務用エアコンのトラブルは多種多様です。トラブル時には緊急性や金額面からとりあえず「修理」をご検討されることが多いのではないでしょうか。しかし必ずしも修理が最善策と言えないケースもあります。最近では省エネ性の高いエアコンが数多くリリースされていることもあり、ランニングコストまで含めると買い替えた方が得をすると説明を受けたことがある方も少なくないと思います。とはいえ業務用エアコンを買い替えるにはそれなりに大きなコストがかかりますし、設置完了まで営業に支障が出る心配もあります。そこで、修理・買い替えのメリットとデメリットを交え、「業務用エアコンの修理と買い替え判断のポイント」について詳しく説明します。

業務用エアコンが買い替えかを見極める!チェックポイント

修理と買い替えを判断するポイントとして、業務用エアコンを「購入してからの年数」と「故障の内容」が挙げられます。

POINT1 業務用エアコンを購入してからの設置年数で判断する

業務用エアコンを購入および設置してから一般的には大きく4つのフェーズに分けられます。

購入から3年未満

修理がおすすめ

買い替えよりも修理で済ませた方が費用を安く抑えられることがあります。
保証期間内であれば、その保証を使用しての修理が可能になり、自然故障の多くの場合が無償での修理となります。保証期間はメーカーによって様々ですが、通常は1年の場合が多いと思います。
また、購入から2~3年経っている場合、製造から5年以内なら部品の保有期間であるため、交換等で安く済ませられる場合があります。

修理がおすすめの画像

購入から7年未満

修理と買い替えの比較検討がおすすめ

まずは、延長保証に加入していないか保証期間が残っていないかを確認してください。保証期間が切れていても、購入後7年以内の製品であれば、修理代金と新製品の購入の両方のパターンで見積もりをとるようにしましょう。部品が残っていれば交換などの軽修理で費用が抑えられることがあります。

修理と買い替え比較の画像

購入から9年以上

買い替えの検討がおすすめ(修理部品がないことも)

業務用エアコン補修用性能部品の保有期間はメーカーにより決められており、生産終了から9〜10年間となっております。修理依頼しても部品が無い場合があるのでご注意ください。また、修理や買い換えの代金だけでなく、消費電力なども比較し、お得な方を選択する必要があります。

消費電力も比較の画像

購入から15年以上

買い替えがおすすめ

納入から15年以上経っている場合、特に2000年(平成12年)より前に設置した業務用エアコンは、修理よりも買い替えたほうがお得になるケースが多いです。最新の省エネ機を使用した際と比較して、年間の電気代は半額以下になることもありますので長い目で見れば断然おすすめです!

買い替えがおすすめの画像

環境省 しんきゅうさん(省エネ製品買換ナビゲーション)
https://ondankataisaku.env.go.jp/shinkyusan/

最新の省エネ機器との比較

業務用エアコンで使用している圧縮機、送風機などの部品は年々劣化していきます。そのため、突発的に起きる故障を未然に防ぐには、稼働状態や部品の摩耗状態を見ながら部品を適宜交換していくことが重要です。
取り付け時から全く点検せず、故障したらその都度修理するという使用方法では6〜9年で使用限界に達します。
これに対して、定期的にメンテナンスを行うことで、15年は使い続けることができます。
故障を防ぐためには定期的な点検を行い、部品のゆるみや汚れなどをチェックし、不具合がある場合はしっかりメンテナンスする必要があります。
※設置場所の環境や使い方によってかなり差が出ますので、あくまで目安です。


※1 経過年数は1日10時間、年間2,500時間を通常使用した仮定の年数
※2 点検には点検で必要になった保全を含みます

【参考文献】「業務用エアコンを長く安心してお使いいただくために」日本冷凍空調工事会 発行

POINT2 業務用エアコンの故障の内容から判断する

業務用エアコンの寿命を左右する、よくある不調を以下に挙げます。

Case 1

業務用エアコンの室外機がうるさい、または異音がする

業務用エアコンのコンプレッサー自体が古くなり、異常が発生している可能性があります。
コンプレッサーは、冷媒の温度をコントロールするエアコン室外機の要です。コンプレッサーの異常により唸り音が発生している、また部品が摩耗してしまい振動が起こっている可能性があります。
コンプレッサーの修理は多くの場合、単純な部品交換ではなく、分解などが必要な「重修理」となるため、高額になります。
また故障でない場合も、新型機は古い機種に比べて室外機の騒音が半分以下に抑えられることがあります。どれくらい使い続けているのかにもよりますが、室外機の騒音にお困りなら業務用エアコンの買い替えを選択肢に入れる必要があると思います。
その他の原因としては、フィルターの目詰まりやルーバーの動作不良、室外機の台座が不安定になっていることも考えられます。その場合はクリーニングや部品交換で費用を抑えて改善できる場合もあります。

業務用エアコン異音の画像

Case 2

部屋が冷えない、または暖まらない

業務用エアコンが冷えない(暖まらない)と感じた際に、原因のひとつとして冷媒ガス漏れの可能性があります。この場合は、冷媒ガスが漏れている箇所を特定するために、耐圧試験を行います。設置状況にもよりますが、耐圧試験は室内機・内外渡り配管・室外機と3箇所に分けて試験を行い、特定された漏れている箇所を溶接修理した後、再度新しい冷媒ガスを封入するという流れになります。こちらも「重修理」となり、一連の作業をすると何十万円という費用がかかることが一般的です。
その他の原因としては、フィルターの目詰まりや熱交換器の汚れが原因の場合もあります。症状が気になったら早めに業務用エアコンの清掃を行い、状態が改善するか確認しましょう。

業務用エアコン効いていない画像

Case 3

業務用エアコンの送風口が臭う

臭いの原因のほとんどはカビが原因です。業務用エアコンのカビ退治にはプロによる洗浄が必要です。定期的なフィルター掃除やエアコンクリーニングをしていても臭うなら業務用エアコンの買い替えを検討する必要があります。

業務用エアコン異臭の画像

Case 4

業務用エアコンの室外機から水が漏れている

水漏れの原因としてドレンホース(排水ホース)の詰まりや破損が考えられます。まずは室外機周辺のドレンホースから排水されているか確認しましょう。業務用エアコンのフィルター掃除やホース交換で改善できることがあるので費用を抑えめに改善できます。

業務用エアコン水漏れの画像

Case 5

業務用エアコンが操作できない

リモコンの電池切れやエアコンブレーカーが落ちている可能性があります。これらを確認しても解決できない時には業務用エアコン本体の故障が原因だと考えられます。先述のように、設置年数とも照らし合わせながら修理と買い替えを判断してみてください。

業務用エアコンが操作できない画像

業務用エアコン修理の費用目安

以下は修理を行う際の目安としてご参照ください。 ※6馬力の場合の一例です。

重修理 コンプレッサー交換 10万円以上
熱交換器交換
ガス漏れ修理
中修理 ファン・ファンモータ交換 10万円未満
基盤交換
リモコン不良
ドレン異常
軽修理 吹出しルーバー異常 5千円~2万円程度
温度センサ不良

業務用エアコン修理と買い替えのメリット・デメリット比較

修理と買い替えには、双方にメリットとデメリットがあります。お客様の状況により最善の選択は異なりますので、この記事で状況にあったメリットを確認していきましょう。

メリットデメリットの画像

業務用エアコンを修理する

【メリット】
  • 軽微な修理であれば低いコストで復旧する
  • 軽微な修理であれば日数が掛からず、数時間で復旧することもある
【デメリット】
  • 古い機種の場合、修理をしても別の不調が見つかったり、すぐ壊れる可能性がある。部品が無いと対応できないこともある
  • 重修理の場合、高額な費用が発生する

業務用エアコンのメンテナンスで修理費用をカット!

業務用エアコンクリーニングの必要性をご存知ですか。エアコンの故障原因の多くは、フィルターや熱交換器の目詰まりによるものです。チリや埃が蓄積したままの使用は、エアコン本体まで負担を掛けることになります。また、内部に汚れが蓄積されることでエアコンの効きが悪くなり、消費電力量が増加し電気の費用増加に繋がります。こまめなケアによって、一回一回の修理費用や電気代等のランニングコストを削減できるようにメンテナンスをしましょう。

空調設備クリーニングをするメリット、故障の原因円グラフ

万一故障してしまうと部品代、工賃 等色々含んで20万円以上の出費がかかることが想定されます。

空調設備クリーニングをするメリット、消費電力の削減比較の棒グラフ

洗浄前と洗浄後の年間費用を比較すると、約35%も削減できることがわかっています。

業務用エアコンを買い替える

【メリット】
  • 技術革新により省エネ、温室効果ガスの排出抑制による環境貢献ができる
  • 技術革新による静音・空気清浄でより良い快適空間を実現できる
  • 省エネによる電気代と長寿命化による買換えコストの削減ができる
【デメリット】
  • 軽微な修理に比べて費用がかかる(重修理よりは安い場合あり)
  • 設置場所の関係で更新が困難な場合、施工費が高額または施工が出来ない場合がある
  • 入れ替えの工事期間中は営業ができない場合がある

気になる!業務用エアコン買い替え時のコスト試算

最新型のエアコンは、旧型エアコンに比べ搭載されている性能も良くなっているものも多いため、年間電気代の目安が最大70%も削減可能になります。一般的に導入費用を考慮しても投資回収基点は7年との試算が出ています。旧型エアコンを使い続けた場合、経年劣化やフィルターの目詰まり、汚れなどの影響を受け、機器本来の性能を発揮できていない事を考慮すると、修理で一時的な費用を抑えるよりも最新型エアコンへの買い替えを行うことで、実際はもっと早く元を取ることができると考えられます。

業務用エアコンの買い替え・工事のタイミングは冬~春がおすすめ

検討の結果、業務用エアコンの修理よりも買い替えようと判断された場合、時期も視野に入れてください。実際のところ、エアコンの取り付け工事が最も多いのは夏です。冷房を使用する時期になってはじめてエアコンの不調に気づき、買い替える方が多いためです。
しかし、夏場は工事が混み合い、取り付けまでに時間がかかってしまう場合もあります。
暑い室内で我慢して過ごすことになると、不快なだけでなく熱中症のリスクも高まってしまいます。
スムーズに買い替え・工事を行うために、冬から春にかけて、ぜひ早めの買い替えを検討してみてください。

なお、建物設備全体の管理やメンテナンス、改修等のトータルサービスを提供している会社であれば、空調設備の更新・改修工事サービスはもちろん行っておりますし、新しい業務用エアコンを長く低コストに運転していくためにも、先述したメンテナンスでの設備のケアや緊急トラブルへの対応を行っているところもあります。電気設備や給排水設備など他の建物設備と一緒に点検や修理への相談にのってもらえる可能性がありますので、依頼先として検討してみてください。

まとめ

今回は、業務用エアコンを修理した場合と買い替えた場合の比較をしながら、エアコンの修理と買い替え判断のポイントについて詳しく説明してきました。

業務用エアコンの修理と買い替えを判断するポイント1としては「購入してからの年数」でした。修理と買い替えを比較検討する時期は7年目くらいが目安です。
業務用エアコンの修理と買い替えを判断するポイント2としては「故障の内容」でした。室外機がうるさい(異音がする)、部屋が冷えない(暖まらない)、送風口から臭う、室内機から水漏れする、エアコンが操作できない等の症状があり、クリーニングをしても改善が見込まれない場合は、様子を見て買い替えを検討してみましょう。
修理のメリットは低コスト、デメリットは古い機種の場合、不調の連鎖や高額な費用が掛かる場合があります。
買い替えのメリットは革新技術により省エネによる電気代の削減に始まり多方面でコストの削減が期待できます。
業務用エアコンの取り付け工事が最も多い季節は夏です。快適環境を維持するため、スムーズに買い替え・工事を行うために、混みあ合わない冬から春にかけての買い替えを検討してみてください。
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