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T!ps – 電気設備 –

公開日:2023年10月6日

営業課長のためのたこ足配線対策。安全と危険の境界線を知る

営業課長として多忙な日々を送る中、オフィスの電源環境は意外と見過ごされがちなポイントです。特に「たこ足配線」は、その危険性がしばしば過小評価されます。この記事では、たこ足配線の基本概念から危険性、安全な使用方法までを網羅的に解説します。

消費電力と容量のバランス、延長コードの使用限界、そして電源タップの選び方など、具体的な対策も紹介します。さらに、最終的な解決策としてコンセント増設のメリットも探ります。この知識を活用し、オフィス環境をより安全かつ効率的に整えましょう。

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1| たこ足配線とは

たこ足配線とは、テーブルタップやマルチタップを使って、一つのコンセントに複数の電気機器を接続することです。この名称は、コンセントをタコの身体に見立て、多数の配線を足に見立てた俗語で、回路構成は並列回路になります。

 

たこ足配線を安全に使用するためには、接続する電気機器の電力使用量を確認し、定格電力(連続動作状態で安全に使用できる電力の最大値)を超えないように注意する必要があります。また、電源タップやテーブルタップを継ぎ足すことも、複雑で危険な配線状況を生み出す可能性があるため、適切な使用方法を守ることが重要です。

2| たこ足配線の危険性

たこ足配線は便利ですが、危険性もあります。一般的な家庭用コンセントの定格電力は1500ワット(15アンペア)が主流で、この定格電力を超えると、流れる電流が多すぎて発火するリスクが高まります。また、たこ足配線によって電気機器の電力使用量の合計が、使用可能な電力量を超えることが危険とされています。

2-1| なぜたこ足配線は危険とされるのか

たこ足配線が危険とされる理由は、主に以下の3つです。

1. 定格電力を上回ると発火する危険がある
たこ足配線では、1つのコンセントに複数の電気機器を接続するため、消費電力が定格電力(一般的に1500ワット)を上回ることがあります。これにより、コンセントやコードが異常過熱し、漏電や火災につながる可能性が高くなります。
2. トラッキング現象を引き起こす恐れがある
トラッキング現象とは、コンセントとプラグの間にほこりがたまって発火する現象です。ほこりや水分が電気の通り道となり、異常発熱が起こることがあります。
3. 電源コードを束ねた箇所からの発火のリスクがある
たこ足配線をして複数のコードが同じ場所に集まったために、電源コードを無理に曲げたり束ねたりすると、コードの放熱が妨げられてしまいます。過熱することでショートが起こりやすくなり、火災のリスクが高まります。
これらの理由から、たこ足配線は危険とされています。火災を防ぐためには、定格電力を守り、コンセント周りの掃除を定期的に行い、電源プラグをしっかり差し込むことが重要です。また、必要に応じてコンセントの増設を検討し、電気工事のプロに相談することも必要です。

2-2| 【事故事例】たこ足配線が引き起こしたトラブル

NITE(独立行政法人 製品評価技術基盤機構)によると、平成24年4月~平成29年3月の5年間で、コンセントやスイッチなどの配線器具による事故は計353件発生。このうち209件が火災になり、6人が死亡しています。

テーブルタップや配線器具の不注意な使用は火災のリスクを高めます。特に、以下の二つの事例が報告されています。

出典:https://www.sankei.com/article/20180417-ZOI5HNFIBZIGXBIC52J5O3EBPU/

事例1

テーブルタップに接続可能な最大消費電力を超える電気製品(例:電気ストーブと電気カーペット)を接続すると、電源プラグ内部が異常発熱し、製品やその周辺が焼損する事故が起きています。

出典:https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/press/2019fy/prs191219.html

 

事例2

配線器具の火災事故で、コンセントに電源プラグを長期間接続していたため、接続部にほこりなどが蓄積し、トラッキング現象が生じて製品及びその周辺を焼損する事故が発生した。

出典:https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/press/2019fy/prs191219.html

3| 安全なたこ足配線の条件

安全なたこ足配線を実現するためには、いくつかの基本条件があります。特に消費電力と容量のバランス、そして延長コードの使用には注意が必要です。ここでは、これらの要素に焦点を当て、どれだけの機器を安全につなげられるのか、延長コードの使用時にどのような点に気をつけるべきかを詳しく解説します。

3-1| 【消費電力と容量】どれだけの機器をつなげるか

たこ足配線で安全を確保するには、接続する機器の消費電力合計がコンセントの定格容量を超えないように注意が必要です。

コンセントが1500Wであれば、700Wの電子レンジと500Wの掃除機を同時に使うと1200Wで安全ですが、さらに1200Wのヘアドライヤーを加えると2400Wとなり、容量を超えるので危険です。

同時使用しなくても 、機器の消費電力合計が1500Wを超える場合は危険です。プラグを挿す場所が空いているからといって各機器の消費電力を確認せずうっかり限界を超えて使用してしまう可能性があるからです。例えば、1500Wの電気ポットと1000Wの電気ストーブをつなぐと、合計2500Wになるため配線しなおした方が安全です。

安全対策として、定格容量の80%、つまり1200Wまでの機器を接続することが推奨されます。余裕を持って定格容量を守ることが大切です。

3-2| 【延長コードの使用】注意点と限界

コンセントと同じように、延長コードの電力容量には限界があり「合計1500Wまで」などと表示されている場合、その上限を守ることが火災やショートの防止につながります。1500Wの延長コードに1200Wの延長コードをつないでも、上限は増えません。この場合最大で使える電力は、1200Wになります。

例えば「15A」の延長コードにはデスクトップPCだと平均して「100W」、ノートPCの場合、平均して「30W」、外部ディスプレイを接続する場合においても「30W」程度を想定しておくと、安全に複数台数接続可能 です。ただし、安全を考慮して使用する際は定格の70%程度に抑えることが望ましいです。

これらの注意点と限界を理解し、適切に延長コードを使用することで、電気機器の安全な利用が可能になります。もっと配線が必要になる場合、延長コードを継ぎ足す行為は基本的に避け、必要な場合は専門家に相談することが推奨されます。

4| たこ足配線を安全にするための対策

たこ足配線は、基本的に容量をオーバーして配線してしまう可能性があるため推奨はできませんが、まったく危険でないことはわかりました。延長コードや電源タップを含め、たこ足配線の安全性を高めるためには、具体的な対策が不可欠です。ここでは、電源タップの選び方から未知なるリスクである「トラッキング現象」まで、安全対策の要点を解説します。

4-1| 電源タップの選び方

たこ足配線を安全にするために、電源タップの選び方について、以下のポイントを考慮してください。

1. 定格容量

電源タップには定格容量があり、一般的には1500Wが主流です。接続する電気機器の消費電力の合計が定格容量を超えないように選びましょう。

2. 過電流保護機能

過電流を検知すると自動で電源を遮断する機能が付いた電源タップを選ぶことで、たこ足配線時の安全性が向上します。

3. 個別スイッチ

各コンセントにスイッチが付いているタイプの電源タップを選ぶことで、使用していない機器の電源を切ることができ、節電や安全性が向上します。

4. 雷ガード機能

雷による電圧変動から機器を保護する機能が付いた電源タップもあります。雷が多い地域や、大切な機器を保護したい場合に選びましょう。

5. USBポート付き

USBポートが付いた電源タップを選ぶことで、スマートフォンやタブレットの充電が便利になります。

6. コードの長さ

使用場所や設置状況に合わせて、適切なコードの長さを持つ電源タップを選びましょう。コードの長さは、「必要な長さ+0.5m」を目安に選ぶと良いでしょう。

 

これらのポイントを考慮して、用途や状況に合った電源タップを選ぶことで、たこ足配線をより安全に使用することができます。

4-2| トラッキング現象 を防止する方法とは?

トラッキング現象を防止する方法には以下のポイントがあります。

1. コンセントやプラグ周辺の清掃

トラッキング現象は、コンセントやプラグ周辺にあるホコリが原因で起こることが多いため、定期的な清掃が重要です。

2. トラッキング防止グッズの活用

市販されているトラッキング防止カバーやプラグ安全カバーを利用することで、ホコリやチリが溜まりにくくなります。

3. 適切な電源タップの選択

定格電流を超えないように注意し、適切な電源タップを選ぶことでトラッキング現象を防ぐことができます。

4. 環境の整備

湿気の多い場所や結露が発生しやすい場所はトラッキング現象が起こりやすいため、環境を整えることが重要です。

これらの対策を実施することで、トラッキング現象を防ぎ、たこ足配線を安全にすることができます。また、電気火災に対応した消火器や簡易消火具を設置して、万一のときに迅速な対応ができる体制を整備することもおすすめです。

 

冒頭でもお伝えした通り、たこ足配線はリスクとの隣り合わせで使用している状態です。安全とはいえ配線をどんどん増やす必要がある場合は、コンセントの増設をすることをお勧めします。

5| コンセント増設のメリット

コンセントの増設は、電源環境の改善に直結する重要なステップです。ここでは、増設によって解決される具体的な問題点と、その作業を総合メンテナンス会社に依頼する際の利点について詳しく説明します。コンセントの増設がもたらす安全性と効率性を理解し、より快適なオフィス環境を目指しましょう。

5-1| コンセント増設で解決する問題点

オフィスや事務所でコンセントを増設することは、以下のような問題を解決します。

1. 過負荷防止

たこ足配線は火災やショートの原因になることがあります。コンセントの増設により、安全な電力供給が確保されます。

2. 配線整理

たこ足配線は見た目が乱雑で環境を悪化させます。増設で配線がスッキリと整い、快適な空間が作れます。

3. 設置場所柔軟性

コンセントが少ないと機器の設置場所が限られます。増設でより柔軟なレイアウトが可能になります。

4. 安全確保

増設は資格を持つ専門業者に依頼する必要があり、感電や漏電のリスクが最小限に抑えられます。

5-2| 総合メンテナンス会社に依頼するメリット

総合メンテナンス会社にコンセント増設を依頼するメリットは、安全性と適切な工事が期待できることです。

総合メンテナンス会社はプロの電気工事士が在籍しているケースが多いので、一般の個人ではできない安全で適切な工事をしてくれます。アフターサービスもしっかりしてくれるので、トラブルがあっても対応してもらえるメリットがあります。

 

費用面では、総合メンテナンス会社はコンセント増設の費用相場を把握しているので、適正な価格での施工が期待できる点も大きなメリットだと思います。

安全性と適切な施工、そしてアフターサービスと適正な価格設定が実現できるのが、総合メンテナンス会社への依頼の大きなメリットだと考えられます。プロに任せることで安心してコンセント増設ができるでしょう。

8| まとめ

この記事では、オフィスにおいて人員増加に伴うデスク周辺機器の電源不足問題からなる「たこ足配線」について焦点を当てました。

 

電源供給を簡単にできるたこ足配線ですが、危険性とその背後にある理由、具体的な事故事例を通じて、そのリスクを明確にしました。また、安全なたこ足配線の条件や延長コードの使用における注意点と限界を解説しました。さらに、コンセント増設のメリットと、それを専門の総合メンテナンス会社に依頼する利点についても触れました。

 

最後に、これらの知識と対策を活用して、総合メンテナンス企業へ相談することでオフィスの電源環境を安全かつ効率的に整えることが可能でしょう。

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