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コンセントを増設したい!自分でできる?費用相場と注意点とは?

コンセントを増やしたいとなったとき、電気工事会社への依頼を考えると思いますが、どういった工事をするのか想像がつきますか?一口にコンセント増設といっても方法が様々あります。今回は、コンセントの増設に関係する情報や注意点、自分でも簡単に工事が可能なのか。また増設の費用相場をご紹介します。

コンセント工事の画像

もくじ

オフィス運営に欠かせないコンセント

オフィスにはPCや電話機、複合機のような、日常業務で欠かせない電気・電子機器(以降、電気機器と表現します)がたくさんありますが、これらは「コンセント」がなければ動くことができません。長いこと会社を運営しているとスタッフの増員や新機器の導入時にコンセントが足りなくなることも考えられます。

コンセントを増やしたいと思ったとき、最近は、DIYの延長で自分でコンセントを増設しているという方もいらっしゃるようなので、「なんだプロに依頼しなくても自力でできるのか」「出費を抑えたいから電気機器が好きなあの人に頼もう」と思われそうですが、実は、工事をするためにはある条件が必要です。

オフィスのイメージ画像

コンセントの増設は自分でできるのか?

コンセント増設を含む配線工事は、正しい知識と手順で行わないと事故が発生する可能性があり危険を伴います。専門の電気工事の知識がないまま自分でコンセントを増設すると、漏電による火災や感電事故の危険がありますので、資格を持っていない方は、必ず電気工事業者に頼みましょう。

コンセント増設工事ストップの画像

事故を避けるためにも電気工事士の資格が必要

屋内配線(建物の中の照明や電気器具などに電気を供給するための配線)のスイッチやコンセントのような器具に電線を繋いだり、電線同士を繋ぐ作業は、電気工事士2種の資格が必要です。資格を持っていない方は、この記事を、安全な工事を見届けるための知識としてご覧ください。

また、DIYの延長でコンセント増設をやりたいと思っている方は、肩を落とさないでください。電気工事士2種の資格は、学歴や経験に関係なく試験を受けられ、合格すれば取得できます。ぜひDIYの幅が広がることをイメージしながら電気工事士の資格を取得してみてはいかがでしょうか。

増設工事の全体像を把握する

コンセントにつながる屋内配線は、一般的に天井裏から分岐されて個々のコンセントやスイッチに伸びています。そのため、天井裏にある電線の分岐点(ジョイントボックス)から配線を増やすことが可能です。
また、20Aの許容電流をもつ専用回路を作りたい場合は、分電盤に新たなブレーカーを増やして配線する必要があります。

DIYでやりたい場合、難易度の低い方法としては、既存のコンセントから電線を伸ばしていく作業になります。コンセントの送り穴に電線を繋いで伸ばしていきます。ただし、この方法はコンセントを増設できる場所の範囲が限られてしまいます。

コンセント増設に伴う配線工事以外の作業

増設工事の全体像がわかったところで、他にも留意する点についてお話します。
電気工事会社にコンセントの増設を依頼すると、増設範囲は広域に対応できます。工事の内容と家の構造にもよるかもしれませんが、一部の天井板をはがして天井裏を使ったり、床下に潜って床下で配線したり、横方向に伸ばすため間柱に穴をあけたり、屋外に伸ばすため外壁に穴をあけたりと、大工事が繰り広げられることもあります。

天井板を外した画像

一方、電気工事士の資格を取得した上で、DIYで増設を考えていらっしゃる方は、先述のような大規模な作業を試みたとしてもケーブルを通せない障害物があるとそこで作業が立ち止まってしまいます。そのため、既存の埋込コンセントの裏側にある送り穴に電線を差し込んで、壁の中にケーブルを配線していく方法をお勧めします。それでも範囲を広げたい場合は、露出配線という方法もあります。

露出配線とは、配線を壁や床、天井に這わせて配線する工法です。工事が簡単というメリットがありますが、配線が見えてしまうために見栄えにこだわる方にはお勧めできません。

コンセントの増設工事で許容電流は増えない

住宅の屋内配線のひとつの回路の許容電流は、一般的に15A〜20Aです。その回路に含まれるコンセントの電流の合計が許容範囲を越えるとブレーカーが落ちてしまいます。

新たに回路を増やすのではなく、ひとつの回路の中にコンセントを増やすことで、その回路の許容電流が増えることはありません。そのため、例えば1200Wのドライヤーを使っているコンセントと同じ回路にコンセントだけを増設しても、さらに1000Wのドライヤーを同時に使うことはできません。

コンセントにも種類があります

コンセント増設には、電気工事士の資格が必要であることと工事のシチュエーションが全体的にイメージできたところで、次に、コンセントの種類について詳しくご紹介していきます。コンセントの増設を依頼する上で、日本のコンセントについて知ることが重要です。実は、日本のコンセントは世界的に見ると少し変わっているのです。

コンセントの差し込み口のイメージ

電圧は100Vが日本のコンセントの主流

日本のコンセントの電圧は世界的に見て低く設定されています。日本のコンセントの電圧が「100V」のところ、海外のコンセントは「200V」前後です。日本のコンセントの電圧が低い理由は、万が一漏電しても感電や火災などのリスクを軽減するためです。

200Vが必要な電気機器もある

日本の電圧は100Vが主流とお伝えしましたが、日常には200Vのコンセントも存在します。これは200V以上でないと対応できない電気機器があるためです。例えば、オフィス内にはエアコンや冷蔵庫はあるでしょうし、複合機などのOA機器にも200V以上が必要となる大型の電気機器があります。ちなみに、200Vのコンセントは三口が主流です。エアコンなどを取り付ける際には200Vのコンセントが必要です。

間違えると大変!コンセントの電圧

大きな電力を必要とするエアコンの電圧は200Vですが、仮に100Vのコンセントに接続するとどうなるのでしょうか。当然ですが100V用から200V分を取り出すのには大きなエネルギーがかかります。コンセントへ大きな負担をかけてしまいます。長時間使用するとコンセント周りの配線が高熱を持ちます。最悪の場合、コンセント周りが発火し火災に繋がる危険性もあります。電気機器は適切な電圧のコンセントを使用しましょう。電圧が足りない場合は増設の必要があります。

コンセントを増設するなら電気工事会社へ依頼

ここまで、コンセント増設の内容と種類を紹介してきましたが、実際にコンセントを増設したい時にはどんな電気工事会社に依頼すれば良いのでしょうか。また、依頼するときには事前に押さえておくと良いポイントがあります。記事を読んで、失敗しない増設工事を進めていきましょう。

電気工事士の画像

コンセントを増設する目的は?

コンセントを増設したいと思ったとき、まず重要なのは、なぜコンセントが必要なのかを明確にすることです。新しく設置するのと口数を増設するのとではかかる費用も異なりますし、コンセントが足りないからといって、不必要な場所や不便な場所にコンセントを増設してはもったいないだけです。スタッフの増員や新しい電気機器の導入によって、どのくらいコンセントを必要とするのか、将来の構想も入れてなるべく具体的に考えてみましょう。

コンセントの増設をしたい!どこに依頼すれば良いの?

コンセントの増設は「電気工事」になるので電気設備の工事会社(電気工事を取り扱う業者)に連絡しましょう。
電気工事会社には、「電気工事士」という国家資格を取得した電気工事の専門家がいます。コンセントの増設に限らず、電気周りの疑問は電気工事会社に相談するのがおすすめです。
記事中でもお話ししたように、コンセントを広範に増設したいとなると、配線以外にも天井裏や床下に潜っての大工事になりかねませんので、現場をよく理解しているプロにお任せしましょう。

信頼できる業者を選びましょう

電気工事会社と一括りにしても、営業スタッフの対応や作業員の技術には差があります。
以下に、電気工事会社を選ぶ際のポイントをまとめました。

1)複数社から相見積もりを取る
2)営業担当スタッフに細かく質問する
3)十分な実績があるか調べる

重要なことは、相談時に営業担当に細かく質問することです。質問に対して、営業担当が丁寧かつ的確に答えられるなら信頼できます。電気工事会社で何より大切なのは、皆さんが信頼でき、安心できることです。

コンセントの増設工事の種類と費用相場が知りたい

コンセントの増設工事で気になるのが費用相場ではないでしょうか。では、コンセント増設工事の費用相場について「新規の設置」と「口数の増設」の2つの場合から見ていきましょう。

費用の画像

新規でコンセントを設置する工事場合

・費用:1.4万円〜2万円
・工期:1~3時間ほど
コンセントを新規で設置する場合の相場は上記のようになります。
既存のコンセントから延長コードで繋ぐことはできますが、見栄えが悪く、断線の危険性も潜んでいます。工期を見ると比較的手間はかかりません。費用も時間もあまりかからないのがコンセントの増設工事です。
今までなかった場所にコンセントを新しく設置する場合は、すでに建物の中にある電気配線を分岐させて新設することができます。場所によっては、既存の配線をそのまま使用します。このほかに以下のような種類の工事もあります。

見栄えの悪い配線画像

挿し込み口の交換の場合

・費用相場:1カ所につき、7,000円〜1万円

挿し込み口が壊れてしまった、挿し込み口の数を増やしたい場合に必要な工事です。新しい挿し込み口にコンセントの配線を繋ぎかえる工事です。場所や挿し込み口の数によっては、既存の配線を取り替える必要はなく、そのまま利用できます。コンセントの挿し込み口がいくつあっても、安全に使える目安は一つの回路で合わせて15A〜20Aです。

配線の変更(交換・分岐・延長)の場合

・費用相場:12,000円~15,000円ほど

コンセントの増設をする際に配線を変更する必要があった場合、配線は、交換・分岐・延長のいずれか方法で変更します。
電圧が100Vの場合は、どの電気配線からでも引くことができます。電力に余裕のある配線から分岐させることが多いため、どのコンセントに大体どのくらいの電力を使っているか確認しておくと、見積もりや実際の工事の際にスムーズです。

コンセントの電圧を切り替えの場合

・費用相場:5,000円~6,000円ほど

新しく購入する電気機器の消費電力が1,000W以上の場合で、決まった場所で使用する場合はコンセントの電圧を専用回路への切り替えが推奨されています。エアコンやIHクッキングヒーターなど、200V電源が必要な電化製品には専用回路が必要です。予備用や専用のブレーカーがない場合は、新たに設置し配線する工事も必要です。

コンセントの口数を増設する工事の場合

・費用相場:5,000円~10,000円ほど

パソコンや複合機を増やすなど、新しい電気機器の導入に合わせてコンセントの口数自体を増やしたいこともあると思います。この時たこ足配線はしないようにしてください。電圧の高い電気機器をたこ足配線にすると火災の原因となり危険です。
コンセントの口数を増設する場合は、コンセントを新しく増設するよりも相場は低いと言えます。ただしコンセントの口ごとに電圧を変える場合は、配線から工事するので料金が高くなります。

電気配線の距離で工事料金や工事時間は決まる

スイッチやコンセントの位置、延長する配線の長さによって、工事費用や時間は変動します。一般的に配線が長ければ高額になり、配線が短ければ費用は抑えられます。

電気配線距離を測っている画像

既存の配線を分岐させる工事の場合

・増設費用:5,000円〜1.5万円以内
・作業時間:1時間以内

既存の配線を分岐させてコンセントを増設する場合、大掛かりな工事ではないので費用を抑えることができます。現実的に実施可能な工事のため、増設工事で一番多い工事です。

ブレーカーから配線させる工事の場合

【5m未満(短い)】
・相場費用:10,000円以内
・工事時間:およそ1時間
【5m以上(長い)】
・相場費用:30,000円程度
・工事時間:およそ3時間

ブレーカーから配線させる場合、配線の距離長短や配線のしやすさ、配線の埋め込み、専用回路の追加などの技術内容により、上表よりも高額になります。建物の構造によって、壁に穴を開ける必要があったりするので、コンセントの増設は計画的に行う必要があります。

増設しなくても良いことも

実は近年の分電盤(電圧を調節する設備)の新しい型では、少しいじるだけでコンセントへの電圧を変更できる設計になっていることがあります。200Vのコンセントを増設する前に、チェックしてみてください。
分電盤で電圧を変更できる場合、電気工事をする必要はありません。もちろん古い型は対応していない設計なので、コンセントの増設を依頼する際には分電盤で電圧を変更できるか確認してください。

コンセントを増設する際のポイントと依頼前の確認事項

コンセントの増設は案外安いと分かりましたが、コンセント増設の際、追加でオプション料金がかかるケースがあります。ではここで、増設する際の「ポイント(注意点)」をいくつかご紹介します。プロに依頼する前に、確認しておきたいポイントを知っておくとコンセントの電気工事をさらにお得にできるかもしれません。

コンセント増設のポイントの画像

ポイント1)コンセントは少し多めに増設を計画しましょう

先述した通り、事業が拡大するにつれてコンセントは足りなくなります。将来的に必要になりそうな場所に限り、コンセントは少し多めに増設するのがおすすめです。2度に分けて依頼するよりも、1度にまとめた方が電気工事会社側としても値引きしやすいのでお得です。

ポイント2)複数社で相見積もりを取りましょう

電気工事会社を選ぶ際は、同一条件で3社以上から相見積もりを取るようにしましょう。各社の費用やサービスを比較できます。また見積もりの際に担当スタッフの対応を比較することで、信頼できる工事会社を探り出すことができ、安心して依頼することができます。
また、大掛かりな工事にになるときは、電気や内装など、トータルでフォローできるメンテナンス専門会社がありますので、相談してみてください。

ポイント3)ブレーカーの空きを確認しましょう

どの建物にもブレーカーが設置されています。ブレーカーとは、建物内に流れるすべての電気回路を管理しているものです。使える電力を増やしたくてもブレーカーに空きがない場合は、ブレーカーの増設工事のほかに、電力会社の契約アンペア数を変更して、新たなブレーカーの購入を検討することになります。

ポイント4)コンセントの種類や位置、使い方を決めておきましょう

コンセントの増設を考えているときは、あらかじめコンセントの位置や使い方を、具体的にイメージしておくことが大切です。とくに適切な高さは使い勝手を左右しますので、忘れずにイメージしておきましょう。
またコンセントには 、100V、200Vと使う機器によって種類がありますので注意してください。大型の電気機器を使用する場合は、専用の200Vコンセントや三口コンセントが必要になります。

コンセントは隠れるように配置しますか?
ほかの家電、機器との電力の兼ね合いは取れていますか?
オフィスなら、一人あたりの電源の口は何口必要ですか?

など「使いやすい場所・高さ・種類」を、しっかり考えて増設しましょう。

コンセント配置を考える図面の画像

ポイント5)コンセント増設費用を抑えるコツ

コンセントの増設工事の費用は、コンセントの口数や距離、難易度で大きく変わることは先述しました。
相見積もり後、安い電気工事会社にお願いしたいところですが、安全に関わることなので「安ければどんな事業者でもいい」というわけにはいきません。
少しでも費用を抑えながら信頼できる会社にお願いするには、さまざまな事業者のサービス内容や料金、口コミを比較し、自身で納得して選ぶことが大事です。

注意すること)賃貸の場合は大家さんや管理会社に連絡しましょう

賃貸住宅に住んでいる方や貸しビルで営業している企業の方は、コンセントを増設したい旨を大家さんないしは、管理会社に連絡しておきましょう。賃貸で許可なくリフォーム工事をしてしまうと、退去費用がかさんでしまう場合があります。退去時に原状回復の必要が出てくるケースがあるためです。

基本的に、差込口を増やす工事なら許可が下りることが多いようです。断られるケースとしては、壁の貫通工事などが必要になる、新しい場所にコンセントを新設する場合です。

まとめ

今回は、電気設備工事の中でもコンセントの増設についてご紹介してきました。電気周りのお困りごとは、自分でできることもありますが、電気工事士の資格を持ったプロの業者に任せるのが基本です。

コンセント増設をはじめとする配線工事は電気工事士の資格が必要
実際の作業は配線以外にも天井裏や床下に潜るなど大掛かりな工事になる場合がある
コンセントの種類には100Vと200Vがあり、適切な電圧のコンセントを使用する必要がある
コンセント周りの工事費用は5,000円〜20,000円でお願いすることができる
コンセント増設の目的をはっきりさせ快適に使えるよう使い方を具体的に考える
電気工事会社へ工事を依頼する場合は、信頼できる工事会社を選ぶ。
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