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T!ps – 電気設備 –

公開日:2023年3月3日

照明器具には自分で交換できるものとできないものがある?

照明器具は自分で交換できないものがあることをご存じでしょうか?家電量販店に行くと、蛍光灯照明器具に装着できるLEDランプが売られています。自分でも簡単に交換できそうですが、LEDランプへの変更は、仕様や規格を守らなければ、火災になりかねません。では、どのような場合に自分で交換できて、どのような場合は業者に任せるべきなのでしょうか。この記事では、照明器具の種類と、自分で交換できる条件を紹介しています。

でんきの窓口照明器具を自分で交換している画像

1. 照明器具の種類と自分で交換できる条件

自分で交換可能な照明器具を見分けるために、照明器具の種類と交換条件を把握しましょう。この2点が分かると交換に資格が必要なのか、自分で交換できるかどうかを判断できます。

1-1. 照明器具の種類

照明器具には、さまざまな種類が存在します。天井に設置し、部屋を照らす照明器具の一例は、ダウンライトやシーリングライトです。壁面に取り付け、上品な雰囲気を演出するブラケットライトなど、演出効果を狙った照明器具もあります。門灯は、足元やドア付近を照らすことで視認可能にするための照明です。このように、照明器具にはさまざまな用途があり、サイズや取り付け場所も異なっています。

1-2. 自分で交換できる照明器具

さまざまな種類がある中で、自分で交換できる照明器具をどのように判断すべきでしょうか。異臭や発火などの事故を防ぐためにも、しっかりと形状を確認し、自分で交換可能だと判断できてから作業しなければなりません。

1-2-1. 引っ掛けシーリングがあれば照明器具を自分で交換できる

照明器具の主な設置方法には「引っ掛けシーリング」「直付け」などがあります。
引っ掛けシーリングとは、天井に設置されている照明器具の一部です。真ん中の溝が切られた部分に天井から電源が供給されており、照明器具のアダプターを接続することで、簡単に電源を供給し、点灯できるようになります。
照明器具の爪には返しがついているため、引っ掛けシーリングに差し込んでひねることで、簡単に照明器具の固定もできます。

対して、直付けタイプの照明器具の場合、配線が照明器具に直結されています。ワンタッチで配線と接続できる構造ではないため、設置や交換が自分でできません。配線工事は漏電や感電、火災のもととなるため、電気工事士が実施するように法律で定められています。

このように、天井に引っ掛けシーリングがもともとある場合は、自分で照明の交換が可能です。ただし、形状が合わなかったり取付金具の高さが合わなかったりした場合、配線工事が必要になる可能性があります。適切でない重量やサイズの照明器具を設置すると、不安定になる恐れがありますので、専門業者に相談してみましょう。

1-2-2. 簡易型ダクトレールなら自分で交換可能

簡易ダクトレールとは、設置済みの引っ掛けシーリングにはめ込むだけでダクトプラグ対応の照明が付けられるダクトレールです。
電気工事士の資格がなくても、短時間で自分で照明の設置・交換が可能です。

簡易型ダクトレールは通販サイトなどで簡単に手に入るので、店舗におしゃれなダクトプラグタイプの照明を設置することも難しくありません。ダクトプラグタイプの照明器具はデザイン性が高いものが多く、インテリアアクセサリーも多く販売されています。照明やアクセサリーを変更して、店舗のコンセプトに合ったペンダントライトを設置したり、ライトの数を変えたりすることで模様替えも簡単に行えます。

1-3. 条件が揃っても自分で取り付けできないケースがある

基本的に、引っ掛けシーリングが備わっていれば、照明器具を自分で交換できます。しかし、引っ掛けシーリングの種類や天井の形状などにより、取り付けできないケースもあります。

1-3-1. ①天井の形状が合わないケース

天井に傾斜がついている場合や、引っ掛けシーリング周辺に梁などの干渉物がある場合は、自分で照明器具を取り付けるのは困難です。

引っ掛けシーリングは、水平な天井に設置することを前提としています。傾きがあると、固定部分にかかる力が偏って負荷が生じ、照明が落下してしまうかもしれません。パッキンを使い、安定して設置できるシーリングライトもありますが、ワンタッチで簡単に取り付けられるような照明器具は設置できないケースが多いです。

傾斜のついた天井への設置は、安全性の確保が難しいため、メーカーは推奨していません。照明本体への加工が必要な場合や、製品により取り付けできないケースもあるため、基本的には、傾いた天井には自分で設置できないと考えたほうがよいでしょう。

シーリングライトが大きく、梁がシーリングライトに干渉してしまう場合は、コンパクトなペンダントライトなどに変更しましょう。縦に長く梁に当たらないため、設置できる可能性が高いです。

1-3-2. ②シーリングライトの取り付け位置に届かないケース

天井が高く、シーリングライトが届かない場合、自分で取り付けることはできません。大きなはしごを使うことで設置可能ですが、転落のリスクがあるため、業者に依頼することをおすすめします。

照明器具を検討する際には、設置場所と引っ掛けシーリングの取り付け位置などを十分確認しましょう。

2. 電球・LED照明の交換方法

電球やLED照明は、自分で交換可能な場合があります。しかし、特別な作業が必要なケースもあり、すべての機器が自分で交換可能ではありません。また、機器によって交換方法は異なるため、仕様をよく確認して実施することが大切です。交換方法や、交換可能な種類について、詳しく確認していきましょう。

2-1. 電球用照明器具/蛍光灯用照明器具の交換方法

引っ掛けシーリングやローゼットが天井に設置されている場合、シーリングライトなどの照明器具は簡単に交換できます。

      1. まず、作業前にブレーカーを落としましょう。通電している状態で作業すると、感電する可能性があり危険を伴うためです。
      2. 照明器具を外します。機器により方法は異なりますが、照明器具本体に取り外し方が記載されていることが多いです。多くの場合脚立などが必要になるため、注意して作業しましょう。
      3. アダプターを交換します。引っ掛けシーリングまたはローゼットに差し込まれているので、ひねって取り外します。取り付けは逆の手順です。
      4. シーリングライト本体の穴をアダプターに通し、「カチッ」と音がするまで押し上げるとロックされます。照明の固定機能がある場合は、指示に従いロックします。
        アダプターから出ている電源ケーブルを本体のコネクタに接続すれば設置完了です。

照明器具が直付けされている場合は、自分では交換できません。電気工事士に依頼しましょう。

2-2. LED専用の照明器具の交換方法

LED専用照明機器が引っ掛けシーリングで接続されている場合は、電球用照明器具・蛍光灯用照明器具と同様に、照明器具を外し、アダプターを交換します。シーリングライト本体の穴に「カチッ」と音がするまで押し上げ、電源ケーブルを本体のコネクタに接続すれば交換できます。一方、壁や天井に埋め込まれている直付けタイプや、調光器が壁に設置されているタイプは、配線工事の必要があるため、電気工事士への依頼が必須です。

製品の細かな仕様の違いにより、交換前後で見え方が変わることもあります。また、暗闇で視認しやすくするためのパイロットランプが付いている壁面スイッチは、LED照明と相性がよくありません。そのため、スイッチを切った状態でも照明が点灯したり、点滅したりする可能性があります。また、パイロットランプも常時点灯したり、点滅したりすることが起こりえますので、パイロットランプ対応のLED照明器具を選ぶことが重要です。

なお、照明器具とLEDランプが一体となっている機種は、LEDランプを交換できないため、LEDランプが寿命を迎えたら照明機器ごと交換する必要があります。

2-3. 電球や蛍光灯を使う照明器具をLED化したい場合

電球や蛍光灯タイプの照明器具のLED化は、規格やサイズが適合したものを手に入れ、手順を守ってLEDランプに交換するだけで完了する場合もあります。見え方は若干変わりますが、非常に簡単に交換が可能で、電気代の節約にもつながる場合があります。

しかし、照明器具によっては、安定器などの改修が必要になるケースも多いです。蛍光灯照明器具をLED化した際に、劣化した安定器を継続使用したり、絶縁が不足したりすることで、温度が上昇し、発火する重大事故が多く発生しています。そのため、一般社団法人「日本照明工業会」は、照明器具ごと交換することを推奨しています。

そのまま交換可能なLEDランプは広く販売されていますが、規格や仕様をよく確認しないまま交換すると、発煙、発火する恐れがありますので注意しましょう。

3. 電気のことがよくわからない時は、専門家に任せるのが得策

LEDランプへ切り替える際は、思わぬ事故を防ぐためにも、専門家に依頼するのが安全で確実です。特に、LEDランプへの切り替えには、日本照明工業会の安全規格であるJLMA301への準拠や、ガイドラインを考慮する必要があり、一般人には敷居が非常に高いです。安定器などの改修が必要なケースも多いため、不安な場合は電気工事士などの専門家に依頼しましょう。

3-1. 照明器具の交換を業者に任せた方がいいケース

照明器具の交換を、配線工事以外でも業者に任せたほうがいいのは、以下の場合です。

  • 安全が確保できない
  • 不明点がある
  • LED化

 

照明器具の交換で最も大事なのは、安全を確保することです。照明交換は高所の作業になることが多く、注意しなければ転倒やケガをしてしまうかもしれません。

 

また、市販の電気製品は気軽に買える反面、高電圧の電源と接近している意識が希薄になりがちです。場合によっては感電もあり得るため、少しでも不明点があった場合は、無理して作業することはやめましょう。

 

危険かどうかの判断は一般人には難しいため、専門業者に依頼することがおすすめです。

3-1-1. 電球の位置が高い

高い位置にある電球の交換も、業者に任せたほうがいいでしょう。脚立やはしごを使った電球交換は慣れない作業であり、体を反らせた無理な体勢を取ることが多いため、転倒のリスクが高いです。特に、足場が不安定な階段などは、大きな危険を伴います。業者に交換を依頼しましょう。

3-1-2. 照明器具や配線などの故障が原因

照明器具の故障は、原因を特定するのは非常に困難です。故障が疑われる場合は、業者に依頼することをおすすめします。

 

考えられる主な故障の原因は、以下の4つです。

  • 接触不良
  • ランプの寿命
  • 照明機器の故障
  • 配線の故障

 

照明が点灯しなくなったら、まず接触不良を疑いましょう。振動などで引っ掛けシーリングやランプが緩んでいた場合、接触不良で点灯しなくなります。また、蛍光灯のコネクタの接続もしっかりチェックしましょう。もし緩みがあった場合、再び点灯することがあります。

 

次に、ランプの寿命チェックを行います。他の照明器具に接続して、他の照明機器でも点灯しなければランプの寿命ですので交換しましょう。

 

接触不良とランプの確認で解決しない場合、照明器具や配線が故障している可能性が高いです。自分で調査するのは、感電などの危険があるため絶対にやめ、専門の業者に依頼しましょう。

3-1-3. 電球の種類が不明

ランプの仕様が不明な場合も、業者に確認してもらうのがよいでしょう。誤ってワット数が高いランプを取り付けた場合、異常な発熱が起こる可能性があります。ワット数が確認できない場合は、安全のため、業者に頼むことを検討しましょう。

3-1-4. LED照明への切り替え

電球や蛍光灯を使用していた照明器具を、LED照明に切り替える際には、安定器などの改修が必要になるケースがあります。

市販品で、電球や蛍光灯を使用していた照明器具にそのまま使えるLED照明が存在しますが、設置時の規格や仕様の確認不足により、火災事故が絶えません。業者に依頼すると安心です。

ただし「照明器具が故障してからLED照明に切り替えればいいか」といえば、そうではありません。

大手照明器具メーカーは、省エネ基準への適合を目指し、蛍光灯の生産を中止するところが増えています。自社にあった蛍光灯が手に入りづらくなり、どのみち将来的にLED照明に交換することを余儀なくされる可能性が高いのです。

LED照明は光量が強いことから、本数が少なくてすみます。また、省エネであるためランニングコストが安く、家計にも優しい照明器具です。照明器具の交換を検討している方は、早いうちにLED照明に変更したほうがお得なケースもあります。交換の際は安全性を考慮し、電気工事士などの専門家に依頼しましょう。

3-2. 電気工事会社に依頼した時の費用相場

引っ掛けシーリングを設置する作業では、電気工事士の資格のある業者に依頼する必要がありますが、費用の相場は総額で5,000〜12,000円ほどです。

一方、直付けの照明器具の場合は組み立てが必要であるケースが多く、10,000〜20,000円ほどと、引っ掛けシーリングよりも高めです。

 

いずれのタイプも業者に支払う基本的な費用は、以下のとおりです。

 

  • 部品代
  • 施工費
  • 出張費

 

業者に依頼する際には、下記のようなポイントを押さえておくと、費用削減が図れます。

 

  • 近くの業者に依頼する
  • 複数の業者から見積もりを取得する
  • 全国対応かどうかを確認する

 

移動距離に応じて出張費が高くなるのが一般的であるため、近くの業者に依頼するのも方法の一つです。

 

またホームページだけを確認して依頼することは避け、複数の業者から見積もりを取得することをお勧めします。電気工事業者のホームページには、安い料金が掲載されていますが、施工費のみであることが多く、見積もりには材料費や出張費が加算されることがほとんどです。

 

さらに、全国にチェーン展開している企業なら、総合設備メンテナンス会社に依頼すると、全国一律価格で対応できます。併せて電気以外の建物設備の相談も乗ってくれ、結果建物設備全体のメンテナンス費用を抑えることも可能です。

 

価格が安いことは魅力ですが、自分の希望が、しっかりと見積もりに反映されているか確認しましょう。少しでも疑問があればすぐに確認することが重要です。見積もりが曖昧な業者、疑問点に真摯に対応しない業者は要注意です。

4. まとめ

本記事では、照明器具の交換について注意点を紹介してきました。照明器具を自分で交換できるケースについて知っておくと、専門業者を呼ぶ手間や費用を省いて、限られた修繕予算を他にまわせます。

しかし、費用削減を急ぐあまり、規格等をよく調べずに交換すると、火災につながる恐れがあります。とくにLED化は規格の遵守が難しく、安定器の改修が必要なケースがあるため、専門業者に依頼することをおすすめします。

政府は、温室効果ガス削減のために電球や蛍光灯をLED照明に変更することを推奨しており、近い将来、すべての照明がLED照明に置き換わることが予想されています。LED照明はランニングコストも安いため、照明器具が未対応の場合は、LED化の検討をはじめてはいかがでしょうか。

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