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T!ps – 電気設備 –

公開日:2023年4月28日

LEDで明るく快適な照明を!選び方や注意点を解説

「LED照明にすると、蛍光灯より暗くなる」と聞いたことはないでしょうか。LED照明への切り替えの際は、環境に合った照明を選ぶことで、快適に活動できるようになります。LEDの明るさはどのように決まっているのか、選び方や注意点とあわせて解説します。

でんきの窓口オフィスLEDの画像

1| LEDの明るさを決めるのは?

LEDの明るさには、2つの基準があります。

  • 放射量……光のエネルギー量
  • 側光量……人間の目が感じる明るさと、放射量を合わせて設定

放射量とは、光をエネルギーとして考え、どれくらい他に刺激を与えられるかを基準にしています。対して側光量は、刺激を受ける側である人間の目が、光からどれくらい刺激を受けるのかを基準にしています。

 

人が生活の中で光を利用する場合、光をエネルギーとしてではなく、明るさとして捉えています。そのため、LEDの明るさの単位は、側光量をもとに決めていきます。

 

なお、人が明るさを感じるときは、下記のような複数のことがらを組み合わせて明るさを意識しています。

  • 電球など光源自体の明るさ
  • 部屋などの空間の明るさ
  • 書類などの物を見るときの明るさ
  • 太陽光でも正午のような白っぽい光と夕日のような赤っぽい光

これらを複合的にみて、LEDの明るさを選ぶことが大切です。

2| LEDの明るさの単位は?

LED照明を見ると、次のような異なる明るさの単位が記載されていることがあります。

  • ルーメン
  • ルクス
  • カンデラ
  • ケルビン
  • ワット

あまり馴染みのない単位もあり明るさの基準が判断しにくいため、希望の明るさの照明を購入するのが困難だと感じることもあるでしょう。ここからは、専門用語である明るさの単位の意味や特徴を解説します。

2-1| ルーメン(光束)

ルーメンは光束(こうそく)の単位で「lm」と表記されることもあります。家庭用のLED電球やアウトドア照明器具など、身近な製品で多く使われている単位です。

 

ルーメンは電球などの光源から出る光の束の量を示しており、数値が大きいほど光源全体が発する光が強くなります。しかし、ルーメンの数値が大きければ明るく感じるわけではありません。

 

ルーメンは電球などの光源の明るさですが、人は光源から出る光を直接見て活動することはほとんどありません。照らされた空間や書類を見るために光を利用しています。

 

光源の明るさではなく、どのように照らされているのかが重要になるため、照明を選ぶ際はルーメンだけでなく、いろいろな数値を参考にしましょう。

2-1-1| 同じルーメンでも明るさが違うのはなぜ?

ルーメンの数値が同じでも、照明自体の明るさが違うと感じることがあります。これは輝度(きど)の違いによるものです。

 

輝度とは単位面積あたりの明るさを表す単位で、パソコンのディスプレイなど、光源が面のもので使われることが多いです。ルーメンは光源全体から発せられた光の量ですが、輝度は単位面積あたりの明るさを表します。

 

例えばLED懐中電灯であれば、光源が直径5cm程度の円形で200ルーメン程度であるのが一般的です。これだけのルーメン数があれば、ナイトキャンプでも十分に使用できます。

 

天井などに取り付けるシーリングライトは、直径が50cm程度の円形で、懐中電灯と比べて光源面積が大きいです。シーリングライト全体の明るさが200ルーメン程度だと、暗すぎて困るかもしれません。6畳の部屋では、3200ルーメン程度の明るさが一般的です。

 

同じルーメンでも光源の面積によって輝度に差が出て、照明自体の明るさの感じ方が異なります。

2-2| ルクス(照度)

ルクスは照度の単位です。照度とは照らされた場所、1平方メートルあたりの光の量で、「lx」と表記されます。照度の数値が大きければ大きいほど明るいです。

 

ルクスの数値は以下のようなことを含めて算出します。

  • ルーメン数
  • 照明から照らす場所までの距離
  • 照らす床面積
  • 光の広がり方

同一の照明を使っても、照明から照らす場所までの距離が遠いと、ルクスの数値は小さくなります。部屋などの空間の明るさを表すときに、よくルクスが使われます。

 

JIS規格によって、場所や作業内容に適した明るさの基準が定められており、ルクスが基準として示されています。例えば事務机の場合は750lx以上、精密作業現場では1,500lxなどです。基準となる照度を確認し、作業内容にあった照度を得られるようにLEDを選ぶと、快適に作業を進められるでしょう。

2-3| カンデラ(光度)

カンデラは光源から出る光の強さ「光度」の単位で、「cd」と表します。照らしている範囲の中で1番明るい場所の数値で、光源から特定の方向へ向かう光の量を示します。

 

カンデラは、光源からの角度や距離を用いて算出されます。ルーメンの数値が同じ場合、広範囲を照らすタイプの照明では光度は下がり、ピンスポットのように狭い範囲を照らす照明では光度が上がります。

 

車のヘッドライトなど、ピンポイントの明るさが必要な照明器具の性能を表すのに使われます。

2-4| ケルビン(色温度)

ケルビンとは色温度の単位で、「K」と表されます。色温度とは光の色を数値化したもので、数字4桁で示されます。数字が大きい(=色温度が高い)ほど青白い光に、数字が小さい(=色温度が低い)ほど赤っぽい光となります。

色温度は、「数値が高いから明るいだろう」と混同されやすいのですが、色温度の数値が大きいからと言って、明るくなるわけではありませんので注意してください。

例えば、ルーメン数が同じ照明器具の場合は、色温度の数値が大きい光の方が、明るく感じられます。光の明るさを適切にすると視認性が高まりストレスなく過ごせます。

ただ、色温度の数値が小さくても色彩を適切に活用すると、肌がきれいに見えたり、鮮度が命の商品の売れ行きが上がったり、過ごしやすい空間の演出ができたりするなど、お客様の色彩心理に影響を与えます。

色温度は物の色の見え方にも影響を与えるため、色彩を調整したい場合は、明るさだけでなく色温度にも注意して照明を選びましょう。

2-5| W(ワット)相当

ワットとは、消費電力の単位です。ワット数を明るさの目安にしている人も多いですが、LEDは電球や蛍光灯と比べ電力の消費量が少ないため、ワットで明るさを表すのは難しいでしょう。

 

しかし、「ルーメン」などの単位は一般的にあまり知られておらず、明るさを判断しにくい人もいるので、「W相当」という示し方で明るさをイメージできるようにしています。

 

現在蛍光灯や電球を使用している場合は、書かれているワット数と同じワット相当のLEDを選べば、同程度の明るさを得られます。

3| LED照明を選ぶポイントとは!

LEDの明るさに関わる単位は複数あり、選ぶのが難しいと感じることもあるでしょう。以下に紹介する順番でLED照明を選ぶとスムーズです。状況に合わせて注意したいポイントも記載しておいたので参考にしてください。

3-1|  明るさを決める

LED照明の明るさを決定し、それに合った照明器具を選びます。LED照明の明るさは、照明を利用する場所の広さをもとに決定すると選びやすいです。照明器具などの製造・販売事業者で構成される日本照明工業会によって、明るさについての表示基準が示されています。こちらではLEDシーリングライトと広さの表示基準を示しておきます。カタログ等にも掲載されているので、参考にしてください。

4.5畳 … 2,200lm〜3,200lm未満
6畳 … 2,700lm〜3,700lm未満
8畳 … 3,300lm〜4,300lm未満
10畳 … 3,900lm〜4,900lm未満
12畳 … 4,500lm〜5,500lm未満
14畳 … 5,100lm〜6,100lm

また、明るさは壁やカーテンの色や素材によっても感じ方が変わります。少し広めの部屋に対応した調光機能付きの照明器具を選び、調光しながら使用する方法もおすすめです。

3-1-1| ワット相当でみる明るさの目安

ミニクリプトン電球(※1)を複数個使用している場所などでは、ワット数で明るさを判断し、照明器具を選んでいることもあります。今まで使用していた電球のワット数をもとにワット相当で照明を選ぶと、今までと同程度の明るさを得られます。

 

ただし製品によっては、ワット相当を表示していないこともあります。下の表を参考に、対応している必要ルーメンの照明を選んでください。

必要ルーメン 170 lm以上 325 lm以上 485 lm以上 640 lm以上 810 lm以上
相当電球 20w形相当 30w形相当 40w形相当 50w形相当 60w形相当

※電球は口金E26タイプのシリカ電球(※2)をもとにしています。

※1…ミニクリプトン電球
白熱電球の一種で、小型で寿命が長いのが特徴。ダウンライトやスタンド等で使用される。

※2…シリカ電球
一般的な白熱電球で、ホワイトランプとも呼ばれる。くもりガラス使用になっていて、寿命が短いという特徴がある。

3-1-2| 明るさは利用者の年齢で感じ方が変わる

個人差はありますが、加齢によって明るさを感じにくくなることがあります。高齢者が使用する部屋は、目安となる表示基準の1.5倍程度の明るさを得られるように照明を選ぶとよいでしょう。

 

調光できるタイプのLED照明を購入し、高齢者が部屋を使用しないときは調光する方法もおすすめです。

 

ただし、持病によっては、あえて暗めの設定にした方がよい場合もあります。例えば目の水晶体が濁ってくると、光が乱反射して眩しさを感じやすくなります。そのような場合は、光源が直接見えないタイプの照明を採用したり、暗めの設定にしたりするなどの工夫をし、快適に過ごせるようにしましょう。

 

特にトイレなどの狭い場所では眩しく感じやすいので、目安の半分程度の明るさに設定してもよいでしょう。

3-2| 光の広がり方を決める

照明を設置する場所によって、光を照らしたい方向があるはずです。光をどのように広げたいのかを考えて照明を選びましょう。

タイプ 光の広がる角度 おすすめの設置場所 4おすすめの使用器具
全方向 約260度
  • 執務スペース
  • 会議室
  • 応接室
  • ダウンライト
  • シーリングライト
  • スポットライト
  • ペンダントライト
  • シャンデリア
  • スタンドライト
広配光 約180度
  • エントランス
  • 会議室
  • 応接室
  • ミーティングスペース
  • ダウンライト
  • シーリングライト
  • スポットライト
  • ペンダントライト
  • シャンデリア
下方向 約140度
  • エントランス
  • トイレ
  • 廊下
  • 階段
  • ダウンライト
  • シーリングライト
  • スポットライト
  • ウォールウォッシャー
  • ブラケットライト

全方向タイプは、部屋全体の明るさがほしいときに使えます。光の広がり方が限定されていないので、さまざまな照明器具に使えます。

広配光タイプは、限られた場所にのみ明るさがほしいときに使えます。また下方向タイプは、手元や足元に明るさがほしいときに使えます。

照明器具によっては、シェードなどによって、光が広がる方向が限定されているものもあります。照明器具と電球タイプを組み合わせて、照らしたい方向に光が広がるように選びましょう。

3-3| 光の色を決める

LEDの普及が進んで、5~6年前のLEDよりも品質が良くなっています。ちらつきを感じることも少なくなってきましたし、明るさも幅が増え蛍光灯と遜色なく使用することができるようになってきました。そのためLED選びのポイントは、光の色(色温度)といってもいいかもしれませんね。利用シーンに合わせて快適に過ごせる空間を演出しましょう。光の色は色温度をケルビンという単位で表し、JIS規格によって5つに区分されています。

  • 電球色
  • 温白色
  • 白色
  • 昼白色
  • 昼光色

LEDの色温度相関画像

オレンジ色の光を使って雰囲気のある空間を作りたいのか、青白い明るい光を使って細かい作業を進めやすい空間を作るのか、使用する場所や状況に合わせて光の色を決めます。

ここからは、それぞれの色温度や特徴、導入例をご紹介します。

3-3-1| 電球色

電球色はリラックスした雰囲気を演出できるオレンジに近い色です。

色温度 2600K〜3250K
特徴 オレンジ色で温かみがある
導入例
  • バーやホテルのラウンジ
  • ギャラリー
  • 寝室
  • 和室

色温度が低いとルーメンの数値より暗く感じます。ペンダントライトや障子などと組み合わせて使うことで優しく落ち着いた雰囲気を作ることもできます。

料理を美味しそうに見せる効果もあるため、食事の場や食品を販売するスペースでの使用もおすすめです。

3-3-2| 温白色

温白色はやや温かみのある黄色で、くつろぐ場所としてもちょっとした作業の場にも適した色味です。

色温度 3250K〜3800K
特徴 自然な黄色で明るさもある
導入例
  • ホテルのエントランス
  • 寝室
  • リビング(夜)

落ち着いた雰囲気を演出しながらも簡単な作業もできる色味なので、ホテルのエントランスなどで導入されています。電球色では色温度が低すぎるけれど昼白色のような明るさは落ち着かないという場所におすすめです。

3-3-3| 白色

黄色みがかった白色で満月のような色です。

明るすぎない

色温度 3800K〜4500K
特徴
  • 黄色みのある白
  • 明るすぎない
導入例
  • 読書や勉強など作業スペース
  • リビングや洗面所など

5つの光の色の中では最も自然な色あいです。比較的目が疲れにくい色なので、日常的によく使う場所や長時間作業をする場所にも向いています。

3-3-4| 昼白色

日中の太陽光に近い色です。慣れた色味なので、どの色にするのか迷ったら昼白色から試してみるのがおすすめです。

明るすぎない

色温度 4600K〜5500K
特徴 白色で明るくはっきり見える
導入例
  • 作業スペース
  • 店舗
  • リビングや洗面所など

昼白色や昼光色は活発な印象を与えるので、ショップやスポーツジムなどでも導入されています。日中の太陽光に近く、なじみのある色のため、長時間滞在する場所での使用にも向いています。

3-3-5| 昼光色

5種類の中では最も色温度の高い色です。

明るすぎない

色温度 5700K〜7100K
特徴
  • 青みのある白色
  • 晴れた日の正午の太陽光に近い
導入例 工場や事務所

集中して作業するスペースでの使用に向いていますが、目が疲れやすいので、長時間の作業をする場所には不向きです。また寒色系なので食欲を減退させるため食事の場での使用も向きません。

 

空間にクールな印象や緊張感を与えるので、黒やグレーを基調としたスタイリッシュな空間で使われることがあります。

4| まとめ

LED照明の明るさは、「人がどのように感じるのか」という基準で決まります。そのため光の強さだけでなく光の広がり方や色味などを複合的に考えて、使用シーンにあったLED照明を導入することが大切です。

LED照明には、光の明るさや色味を調節できる機能のあるものもあります。使用者や時間帯に合わせて明るさや色味を調節し、より快適に過ごせるような工夫もできます。

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