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T!ps – 電気設備 –

公開日:2023年2月13日

ビルの電気設備点検?規則や点検内容を詳しく解説!

ビルにはたくさんの電気設備があります。安全に使うためにビルの電気設備は点検が必要です。点検の内容や頻度、電気設備の点検に関する法律をご紹介します。点検の結果の見方についても記載しておくので参考にしてください。

電気設備の点検の画像

1. ビルの電気設備とは?

身の回りにはたくさんの電気を使った機器があり、快適に生活するには欠かせないものでもあります。電気を使った機器というと、エアコンやテレビ、スピーカーのように、私たちが頻繁にスイッチをオンオフして使用するものを思い浮かべます。けれども電気設備は、普段私たちが触れる機会の少ないものも多く含まれます。

 

具体的にどのようなものがあるのかご紹介します。電気設備に関する法律についても知っておきましょう。

1-1. 電気設備の種類

電気設備は次の3種類に分けられます。
発電設備 電気を作るための設備
火力、風力などの発電方法に関わらず発電のための設備全般
送配電設備 電気の通り道となる設備。電線
発電した電気を実際に使う場所まで運ぶ設備
構内電気設備 送られてきた電気を利用するための設備
用途によって電気エネルギーに変換
電気設備は電気とどのように関わるかによって設備を区分し呼び分けています。

1-2. 電気を正しく使うための法律

電気を使った機器は便利な反面、正しく使用しないと火事などの危険もあります。安全に問題なく利用できるように法律によって電気設備の設置や点検、点検の技術基準が電気事業法によって定められています。
監督官庁は経済産業省資源エネルギー庁です。電気事業法では保安規定によって定期的に電気を止める「法定停電」も定められています。

2. 電気設備の法定点検について

法定点検とは定期的に点検することを法律で定めているものです。電気設備は私たちの日常を支える設備とも言えますが、漏電による感電や火災につながる危険なものです。電気を安全に使うため、電気事業法では電気設備に関する電気保安点検を義務としています。
どのような設備を対象に点検を行うのか、頻度や点検内容についてもご紹介します。

2-1. 電気設備の法定点検とは

電気事業法では施設の責任者やオーナーに定期的な保安点検を義務付けています。法定点検を行う電気管理技術者等は、施設の責任者やオーナーに対し、点検結果を報告しなければなりません。

点検は法律に則って事前に制定した保安規定にそって行われ、保安規定の制定は電気主任技術者が行います。点検の内容は機器の種類によって違いがあり、法律で細かく定められているわけではありません。事業者が法律に則って必要な規定を作ります。

また電気工作物の種類によっては電気主任技術者が点検を行う必要があるものもあります。

2-2. 電気工作物とは?

法律で定められている電気設備の法定点検は、電気工作物に対しての点検です。電気工作物とは発電、変電、送電、配電や電気使用のために設置する工作物で、発電から電気を使用するまでの一連の流れに関連する設備は全て電気工作物にあたります。
電気工作物は次の3種類に分けられます。
  • 一般電気工作物
  • 事業用電気工作物
  • 自家用電気工作物
それぞれ、ご紹介します。

2-2-1. 一般用電気工作物

一般電気工作物とは、600ボルト以下の電圧で受電し、受電した構内で電気を使用するための電気工作物です。具体的にはコンビニのような小規模な店舗や住宅に設置する電気工作物や、住宅用の太陽光発電機などが該当します。

2-2-2. 事業用電気工作物

電気工作物のうち、一般電気工作物に含まれないものは事業用電気工作物です。電気事業に使われ電圧が高いので、設置するには安全確保のための措置をとる必要があります。電力会社の発電所やダムなどが該当します。

2-2-3. 自家用電気工作物

事業用電気工作物の中でも、電気事業者から600ボルト以上の電圧で受電している電気工作物です。工場やビルの変電設備などが含まれます。高電圧の電気を一般的に使える形に変換する「キュービクル」も自家用電気工作物です。
自家用電気工作物を設置した場合は、保安点検は電気主任技術者によって行われます。しかし電気主任技術者を雇うことが難しい場合は、外部委託承認制度を利用し業者に委託することもできます。

2-3. 事業継続には欠かせない!電気保安点検業務の重要性

電気は私たちの生活や事業に欠かせません。長く電気設備を使い続けていると、経年劣化や設備の老朽化による不具合が考えられます。安全に電気設備を使うためには電気保安点検業務が重要です。
万が一、不具合によって電気が使えない状況になったら、事業が行えません。さらに他の機器の故障や事故にも繋がり大きな損失につながるリスクがあります。定期的に点検を行い、不具合が起こらないようにすることが大切です。
また、電気事業法では定期的な点検が義務付けられており、法律に基づいて点検業務を行わなかった場合は使用責任者やオーナーが責任を問われます。下記から、電気保安点検業務の具体的な内容についてご紹介します。

2-4. 電気保安点検の種類と内容

電気保安点検は主に4つの種類があります。それぞれの点検を行う頻度や内容をご紹介します。

2-4-1. 月次点検

月次点検とは、原則として毎月1回行う点検です。点検の内容や特徴は次のようなものです。
  • 設備は運転したままで点検、測定を行う
  • 配線や保安装置を目で見て確認する
  • 電圧や電力測定をし、異常がないかを確認する
設備を稼働させたまま、電圧や電力を測定し異常がないかチェックします。また設備や機材は目で見ながら、劣化で亀裂が入っていないかなどを確認します。
原則として毎月1回点検を行いますが、機材や条件によっては隔月や3ヶ月に1回など点検の間隔を調整できることがあります。点検を行ったら点検報告書を作成し、3年間は保管が必要です。

2-4-2. 年次点検

原則として年に1回行われる点検です。点検の内容や特徴をご紹介します。
  • 停電状態で点検する
  • 機器内部の点検や温度の測定をする
  • 同時にクリーニングをすることが多い
月次点検との大きな違いは、電気を止めて停電状態で点検することです。停電中に行うため、漏電のチェックや機器内部の点検もできます。しかし、停電をさせるため事業への影響が大きいです。短時間で済ませられるように準備をします。
原則として毎年1回行いますが、機器の信頼性が高いと点検頻度が下がり、3年に1回以上となることもあります。月次点検同様に点検報告書の作成、保管が義務付けられています。

2-4-3. 臨時点検

何らかのトラブルやアクシデントがあったときに行うのが臨時点検です。実施のタイミングは定められておらず、次のような場合に行います。
  • 定期点検で異常があったとき
  • 天候等によって電気事故が予想されるとき
定期点検で異常が認められたときは、正常な状態に戻すために修理等をおこなうだけでなく異常が起きた原因を調査します。また台風や降雪、大雨などの悪天候によって事故が予想される場合に、事前に対策を行い事故を防ぐことも臨時点検です。

2-4-4. 事故対応

停電や漏電などの事故やトラブルがあったときには事故対応が必要です。緊急性が高いので、必要な時にいつでも対応できるような担当者を決めておくことが大切です。
現場を確認し必要に応じて送電の停止や応急処置をします。また事故の原因を調査し、再発を防止するためのアドバイスをすることもあります。

2-5. 法定停電とは?

法定停電とは、年に一度、点検のために行う停電で、電気事業法の保安規定に定められています。工場やビルなど、一定以上の出力のある事業用電気工作物を設置している場合に行う必要があります。
一般的なオフィスビルなどは、電力会社から高圧の電気を引き込み、構内に設置している「キュービクル」という設備で、使用できる電圧に変換しています。原則的に年に一度、キュービクルも点検する必要があるため、ビルに送配電ができず、全館で停電します。
キュービクルの点検内容は変圧器やブレーカーの異常、漏電の有無などです。万が一キュービクルの不具合等で事故が起きると、次のようなリスクが考えられます。
  • 予期しない全館停電
  • 感電事故や火災等
  • 波及事故
キュービクルが正常に動かなくなると、施設全体で予期しない停電が起きる可能性があります。パソコンや空調、セキュリティシステムが使えなくなるため業務を行えなくなるでしょう。
キュービクルの絶縁体の劣化等が原因で漏電が起こり感電事故や火災が発生するリスクもあります。さらに、キュービクルは高電圧を受電しているため、近隣の設備や地域一帯が停電してしまう波及事故が起きることがあります。影響が大きく社会問題や賠償問題につながることがあります。
このような事故が起きないようにするために定期的に全館停電をし、徹底的に点検を行います。

2-6. 法定停電では準備が重要!

施設の全館停電によって、住宅等の停電と同様の影響がでます。具体的には、電気を使った機器が動かなくなり、水道やガスが利用できなくなります。
住宅での停電と異なる点は、工場やビルでは24時間365日稼働している機器があるという点です。サーバーやパソコンなどはもちろん、防犯カメラや電子キーなどのセキュリティに関わるものも停止します。
サーバーやパソコンは停電により正常なシャットダウンが行われないと、データの消失やシステム障害につながる可能性もあります。また電力復旧後にはほこりが原因となって、通電火災や回線ショートによる機器の故障といった大きな事故が起きるかもしれません。事前に準備や対策をしましょう。

2-7. 点検時の停電に対する準備をしよう

点検のための停電は、事前にいつ停電するのかがわかっています。停電による影響を最小限にするため、事前に対策を行いましょう。
事前の対策だけでなく停電中や、復旧後に注意する点もご紹介します。

2-7-1. 事前対策

停電した際にどのような影響があるのか、範囲を把握します。通常、法定停電は夜間や休業日などに行います。しかし、その期間にも、稼働している電気設備があるはずです。停電の影響を把握するために、どのような電気設備が動いているのかをリストアップすることが大切です。同時に、予備バッテリーなどを使用して停電を回避できないかも検討するとよいです。
次に、コンピュータの稼働を終了させ電源を落とす「シャットダウン」を行う必要がある機器をリストアップします。リスト化した機器のシャットダウンと立ち上げの方法をマニュアル化しておくと、停電時や停電後の作業がスムーズです。大切なデータはバックアップをとっておくと良いでしょう。
また、困った時の連絡先もリスト化しておきます。復旧後は通常通り使用できないことや、電力が復旧しても機器が復旧しないことが考えられます。緊急時にどこに連絡するのか、担当者を明確にしておくことでスムーズに対応できます。

2-7-2. 停電時に行うこと

停電時には次のようなことを行います。
  • 機器のシャットダウン
  • ACアダプタを電源から取り外す
  • (必要な場合は)立ち会い
機器を正常にシャットダウンしないとシステム障害などにつながるので、事前にまとめたリストを確認しながら、シャットダウンを進めます。
また復旧時のトラブルを避けるため、ACアダプターを電源から取り外しておくのも良いでしょう。アダプターを取り外した機器もリストにしておくと復旧時に対応しやすいです。
停電中に入館者がいる場合は、セキュリティシステムが使えないので立ち会いが必要です。

2-7-3. 停電後に行うこと

停電後は機器を立ち上げ、正常に使えるかどうかの確認を行います。事前対策で作成したマニュアルを元に、電源アダプターを差し込み手動でシャットダウンした全ての機器を立ち上げ、必要に応じて試運転をします。

3. 法定点検後の改修が大切!

法定点検を行うと、報告書が作成されます。事業者等の責任者は報告書を確認し、必要に応じて改修計画を立て、電気設備を安全に使い続けられるよう努めましょう。具体的に、どのように報告されるのかご紹介します。

3-1. 点検後の指摘・指導事項とは

報告書に記載される不具合や異常には、2つの区分があります。
  • 指摘事項……法律の定めに則っていないもの
  • 指導事項……法令違反ではないが、そのまま使用すると事故の危険があるもの
指摘事項とは、電気事業法で定められた「電気設備の技術基準」を満たしていない状態です。火災や感電の事故につながる可能性があるので、修理等が必要です。
指導事項は法令違反ではないものの、劣化等があるため修理や機器の交換をした方がよい状態です。すぐに事故を引き起こすものではないですが、使用し続けるのは危険なので、報告書でも交換等が提案されます。

3-2. 指摘・指導されたら

報告書の指摘や指導事項は、強制的に修理や交換を執行させるものではありませんが、なるべく早く対処することをおすすめします。
実際に、点検により、事故を未然に防ぐことができた事例もあります。
過去には、法定停電によって年次点検を行ったところ、異音が発生しており、ブレーカーが高温になっていることが確認できたことがありました。原因はブレーカー内部の接触不良でした。
ブレーカーを入れ直すと異音と発熱はなくなったため、専門業者が仮復旧をし、ブレーカーの交換を提案しました。
もし気づかずに使い続けていたら、温度が上がり続けて火災につながったり、ブレーカーの接触不良による予期せぬ停電が起きていたりした可能性もあります。
トラブルを防ぐためにも、定期的に自主点検を行い、結果報告を元に改修計画を立てて安全に電気設備を使い続けられるようにしましょう。

4. まとめ

電気は私たちの日常に欠かせないもので生活を便利にしますが、正しく使用しないと火事などの事故につながります。そのため、電気設備には点検が義務付けられています。
定期的な点検は月次、年次などがありますが、年に1度は停電して機器内部の状態や漏電についても調べることが法律で定められています。24時間体制で動いている機器も止める必要があるので、電力復旧後にトラブルにならないよう、事前の準備が大切です。
点検で異常が見つかれば、法令に則ってないものは指摘事項、法令違反ではないものの事故の危険があるものは指導事項として報告されます。なるべく早く対応するようにしましょう。
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