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T!ps – 電気設備 –

公開日:2023年9月15日

コンセントから火花が発生した?原因と対処法について解説

電力を供給するための電源設備といえば身近なのはコンセント。オフィスやカフェなどの店舗を営業する中でコンセントから火花が発生するのを目撃し、火災が起こらないか心配になったことはないでしょうか。今回は、コンセントから火花が発生する原因や、火花が散ったときの対処法について解説します。

でんきの窓口コンセント火花の画像

1| コンセントから火花が散る現象の原因と特徴

そもそも、なぜコンセントから火花が散るのでしょうか?本章では、その原因や、異常な現象に気付くためのポイントについて説明します。

1-1| 火花が発生する主な原因と場所

コンセントから火花が出る主な原因は、以下の通りです。

 

  • 機器の電源が入った状態でのプラグの差し込み
  • たこ足配線の過度な使用(一つのコンセントから多数の機器への接続)
  • 「トラッキング現象」の発生

 

「トラッキング現象」とは、下記のような流れで発生し、コンセントから火花が発生することです。

 

  1. コンセントとプラグの隙間にチリやホコリがたまる
  2. ホコリが湿気を吸収する
  3. 湿ったホコリを通じて電流が流れる
  4. 電流が何度も流れることで、絶縁部分が炭化する
  5. 炭化が進行し、電気が通りやすい「炭化導電路」という経路ができる

 

トラッキング現象により火花が出やすいコンセントは、特に以下のような場所にあります。

 

  • 家具や電気機器の裏側など、目につきにくい場所
  • 湿気の多いキッチンなどの水回り
  • 水槽や加湿器の近く
  • 結露が発生しやすい窓の近くやエアコンの近く

 

タンスの裏・冷蔵庫・テレビの裏にあるコンセントは掃除が行き届きにくく、ホコリがたまりやすいです。また、脱衣所・洗面所などの水回り・キッチンにあるコンセントは湿気が多いため、コンセントについたホコリが湿ってしまい、トラッキング現象が起こりやすくなります。

 

さらに、水槽や加湿器の近くやエアコンや窓の近くなど、結露が発生しやすい場所にあるコンセントも、トラッキング現象が発生するおそれがあるので注意が必要です。

1-2| 火花の特徴と異常な現象に気付くポイント

トラッキング現象は、プラグを差し込むときに条件が揃った場合だけでなく、長時間差し込んでいる状態で生じることの方が多くあります。小さい火花が繰り返し発生し、最終的には大きな炎が出て火事につながることもあるため十分注意が必要です。

 

コンセントの寿命を超えて使っていると、トラッキング現象が起きやすくなります。コンセントの寿命はおおよそ10年と言われていますが、使用状況や設置場所によって、寿命は異なることがあります。特に、以下のような環境下にあるコンセントは劣化しやすいため、注意が必要です。

 

  • ホコリがたまりやすい場所
  • 湿気や水分が多い場所
  • 直射日光が当たり、高温になりやすい場所
  • 気温が0℃近くまで下がる場所

 

また、プラグや電源コードも年数が経つと劣化し、負荷がかかることにより火災の危険性が高まるため、定期的な点検が大切です。異常な熱さや変形があれば、すぐに使うのをやめて、専門家に修理や交換を依頼しましょう。

2| 火花トラブルを防ぐ対処法と予防策

コンセントからの火花トラブルは、時には大きな被害を招くことがあります。トラブルを事前に防ぐためには、正しい対策と予防策が求められます。この章では、火花トラブルを避けるための具体的な手段を3つ解説します。

2-1| プラグとコンセントの確認とクリーニング方法

トラッキング現象を防ぐためには、定期的なプラグとコンセントの掃除が必要です。

 

年に一度以上、プラグをコンセントから取り外し、刃の部分とその周辺を乾いた布で拭きましょう。

 

コンセントやその周辺にもゴミが付いていれば、掃除機や乾いた布できれいにします。コンセント内部の細かい掃除が難しい場合、エアダスターを使うと便利です。エアダスターで噴射すれば、小さな隙間にホコリが入り込んでいた場合にも、簡単に取り除けます。

2-2| 火花トラブルを防ぐための適切な使用方法

電気機器のプラグをコンセントに差し込む前に、必ず電源を切りましょう。これは、急激な電流の流れを防ぐためだけでなく、電気機器自体の故障を予防するためでもあります。

 

もし、たこ足配線などの差し込み口を複数にした使用法をする場合は、定格電流を超えて使っていないかを確認しましょう。定格電流とは、電気機器を安全に使用するための使用制限を指す指標です。定格電流を超えると、コンセント部分で過負荷の状態が発生して過熱してしまい、最悪の場合、発火して火災を引き起こすおそれがあります。

 

そのため、定格電流を超える状態になる場合は、別のコンセントにつなぎ直したり、新しいコンセントを設置したりする必要があります。一般的に、コンセントやテーブルタップの定格電流は最大15A(1500W)までとされています。それぞれの電気機器に定格電流が明示されていますので、確認して安全な使用を心がけましょう。

 

また、火花が発生するのを防ぐために、以下の点も注意してプラグを使いましょう。

 

  • プラグをゆっくり挿し込まない
  • コンセントのサイズに合ったプラグを使う
  • 電源コードを折り曲げない

 

ゆっくりとプラグを差し込むと、プラグとコンセントの間に小さな隙間ができ、その隙間で電流が流れ、火花が発生することがあります。

 

また、電源コードが折れ曲がったり古くなったりすると、コードが破損し電気が本来の経路から逸れ、漏電することがあります。

2-3| 火花が漏電の前兆になる場合と対処法

下記のようなプラグは漏電を引き起こすことがあります。使用をやめ、新しいものに交換しましょう。

 

  • 焦げている
  • 曲がっている
  • 古くなっている

 

さらに安全を確保するには、安全機能が付いているタップ(分岐プラグ)の使用をおすすめします。安全機能付きのタップには、漏電防止機能やホコリ防止機能、差し込み口ごとにスイッチが付いているものなど、さまざまな機能があります。用途に応じて、適切なタップを選びましょう。

3| 火花と漏電の関係と漏電の原因と判断方法

コンセントから火花が飛び出す場合、プラグが差し込まれたままでは、火花が周囲に飛散し火事を引き起こす恐れがあります。また、火花によってコンセントが焦げると、漏電の危険も高まります。

 

漏電の原因はトラッキング現象だけでなく、多岐にわたります。たとえば、コンセントにしっかりと差し込まれていないプラグがあると、接触抵抗が大きくなり、電気が流れる際に発熱することがあります。これが長時間続くと、プラグがさびやすくなり、最悪の場合は火災に発展することもあります。店舗のコンセントに緩くなっているプラグがないか確認しましょう。

 

また、電気工事が適切に行われていなかったり、ねずみが電気コードをかじったりすることも、漏電の原因となります。

 

漏電が起きているかどうか判断する作業は、分電盤で行います。詳しいチェック方法は、後の章「漏電点検と怪しい状態のチェック方法」にて解説します。

3-1| 漏電予防のための対策と注意点

電気コードが絡まらないように整理することで、掃除がしやすくなり、ホコリもたまりにくくなります。これによって、トラッキング現象による漏電を防ぐことができます。特にテレビやパソコンの裏側など、コードがからまりやすい場所をチェックしましょう。ねじったり、曲げたり、絡んだり、束ねたりしないようにコードをまとめ、整理すると漏電のリスクを減少させることができます。

 

また、アース線を使用することで、漏電を防ぐことができます。アース線は、電気機器から漏れ出た電気を地面に逃がすためのもので、冷蔵庫や電子レンジ、温水洗浄便座などに付いています。アース線が設置されていれば、漏電が起こっても地面に電気が流れ、人の感電を防ぐことができます。

 

アース線の正しい取り付け場所は、アース端子です。ガス管や水道管、電話のアース、避雷針には、絶対に取り付けてはいけません。例えば、電話のアースや避雷針に接続すると、雷落下時に高電圧が逆流し、火災などの被害をもたらす可能性があります。

4| 漏電の危険性と放置のリスク

本章では、コンセントからの火花発生に関連する漏電の危険性と、それを放置するリスクについて解説します。

4-1| 漏電による火災や感電のリスクと重要性

漏電している部分から周辺にあるものへ引火すると、火災が発生します。主な原因として、金属が挙げられます。電気が長時間流れると、金属は徐々に熱くなります。熱くなった金属が近くの紙・ホコリ・油などの可燃物に火をつけてしまうと、火災が起こる可能性があります。

 

金属が熱を持っているのを目で確認するのは難しいため、気付かないうちに漏電が火災につながることもあります。特に、外壁がモルタル塗りで、モルタルの剥落を防ぐために金網(ラス網)を下地に使っている建物では、漏電で火災が起きやすいので、十分な注意が求められます。

 

さらに、漏電が存在する場所に触れると、感電の危険があります。感電とは、漏電している部分に直接触れたときに、体内に電流が流れ込む現象のことです。

 

流れる電流が大きいほど、体へのダメージも大きくなり、最悪の場合は命にかかわることもあります。電気が体に流れると、以下のようなさまざまなリスクがあるので、注意が必要です。

電流 リスク
1mA ピリッと感じるが、人体への危険は少ない
5mA ビリビリと強い痛みを感じる。人体に影響がない限界のライン
10mA 耐えられないほどの痛みを感じる
20mA 筋肉が収縮し自分の思うように体を動かせなくなったり、呼吸困難になったりする
50mA 心臓_呼吸器官の動きに異常が生じ、心肺停止の危険がある。わずかな時間の感電であっても死に至るケースがある
100mA 人体に致命的な障害を引き起こす

4-2| 放置すると招く可能性のある被害と事例

以下は、トラッキング現象により漏電が発生し、火災が発生した代表的な事例です。

 

  • 一般住宅の洗濯置き場に乾燥機を置き 長年にわたって使用していたが、プラグの差し刃と壁埋込みコンセントの刃受け間に緩みが生じ、 洗濯置き場のホコリと多量の湿気からトラッキング現象が生じてプラグに着火し出火した。
  • 一般住宅において任意調査の結果、 劣化したプラグが発見された。 プラグおよびコンセントにおける電極間の絶縁物は茶褐色に変色しており、 トラッキング現象を原因とした電気火災に至る可能性があった。

 

火災や漏電などの被害を未然に防ぐため、早急に対策することが重要です。

参考:電気設備学会「電気設備からの発火及び火災の原因と防止対策」

4-3| 漏電点検と怪しい状態のチェック方法

もし漏電が疑われる場合は、次の手順で漏電箇所を探し、すぐに専門の業者に修理を依頼しましょう。

 

  1. 分電盤をチェックし、漏電ブレーカーが「切」になっているか確認する
  2. 分電盤のすべてのブレーカーを「切」にする
  3. アンペアブレーカーと漏電ブレーカーだけを「入」にする
  4. 安全ブレーカーのスイッチを一つずつ「入」にしていく
  5. その中で、再び漏電ブレーカーが「切」になったときの、安全ブレーカーを見つける
  6. その安全ブレーカーだけを「切」にし、他の安全ブレーカーは「入」にする
  7. 電力会社・業者に連絡し、漏電の修理を依頼する

 

安全ブレーカーは、部屋やエリアごとに回路に流れる電流を制御するためのスイッチです。特定の安全ブレーカーをオンにした際に漏電ブレーカーが落ちたら、その回路に漏電があることがわかります。

 

漏電を示唆する安全ブレーカーのつまみに記載されている場所を確認して、そのエリアの電気機器の電源をすべて切ってください。その後、電気工事の専門家に漏電の修理を依頼しましょう。

4-4| 漏電の前兆を感知する方法と確認手順

漏電の前兆として、以下のような現象が起こることがあります。これらの現象が見られる場合は、ただちに点検や対策を実施しましょう。

 

  • 建物の金属部分に触るとビリビリとした感触がある
  • 雨が降ると停電する
  • 電気機器から水漏れがある
  • 漏電ブレーカーが落ちる
  • 急に電気代が高くなった

5| 安心のためのコンセント火花防止対策

本章では、コンセントの火花トラブルを防止するための対策について、詳しく解説します。

5-1| 日常的に行える予防策とメンテナンス方法

火花がコンセントから飛ばないようにするためには、以下の日常的な予防策が有効です。

 

  • プラグを差し込む前に、必ず機器の電源スイッチをオフにする
  • プラグが合うコンセントを選び、きちんと差し込む
  • たこ足配線を避ける
  • 一つのコンセント・電源タップに多くの電気機器をつなぎすぎないようにし、過電流を防ぐ

 

さらに、日常的なメンテナンスとして、コンセントやプラグの掃除を定期的に行いましょう。掃除をする前には、必ずプラグを抜いてください。プラグを差し込んだまま掃除をすると、感電の危険があります。プラグの掃除は簡単で、乾いた布で拭くだけで良いです。

 

特に大型の電気機器(冷蔵庫、エアコン)の裏側はホコリがたまりやすいので、しっかりと掃除してください。コンセント内のホコリも、エアダスターで除去します。

 

使っていないコンセントには「コンセントキャップ」を取り付けると、ホコリが入るのを防げます。プラグをホコリから保護し、トラッキング現象を防ぐために「プラグカバー」という商品もあります。

 

これらの対策を実施することで、さらに安全性が高まります。

5-2| 漏電防止のための専門業者への相談と対策

漏電は目で見ることができないため、気付きにくいことがあります。そのため、定期的に電気設備の点検や清掃を行い、火災や感電のリスクを減らすことが重要です。もし「漏電しているかもしれない」と感じたり、実際に漏電を確認した場合は、速やかに専門業者に連絡して対処してもらいましょう。

5-3| 火花トラブル時の対処方法と注意点

コンセントから火花が出たら、すぐに安全のためブレーカーを切りましょう。ブレーカーの位置がわからない場合、電気に触れるリスクを避けるため、絶縁性のグローブをしてコンセントを抜くようにしましょう。その後、安全を確認するために電気工事の専門家に連絡してください。

5-4| 火花トラブルが発生した際の適切な対応と安全確保

火花が出るトラブルが起こったとき、自身での修理は避けましょう。専門の知識がないと、感電や火災のリスクがあるので、自分で修理しないでください。

 

また、配線のつなぎ間違いでさらに悪化させることもあります。トラブルの際は、専門の業者に修理を依頼すると安全です。特に配線の変更や交換が必要な場合は、電気工事の資格をもった業者に依頼してください。

6| 原因不明の火花トラブルが施工不良の可能性あり

ここまでに紹介したような火花の発生原因に、心当たりがないというケースもあります。その場合、施工不良が原因で火花トラブルが発生している可能性があります。
本章では、施工不良が疑われる場合の対応を解説します。

6-1| 施工不良を疑った際の専門家への相談と対応

施工不良が疑われる場合、まずは事実を正確に把握することが重要です。契約内容を詳しくチェックし、何が問題かを確認したうえで、トラブルの経緯を記録に残しておくと、後で役立ちます。

公益財団法人住宅リフォーム・紛争処理支援センター 住宅の欠陥、依頼先とのトラブルなど、住宅トラブルの幅広い相談を取り扱う専門窓口です。
国民生活センター 消費に関する全般的な相談や苦情を受け付けており、住宅トラブルも含めた幅広いトピックを取り扱っています。
法テラス 法律に関するさまざまなトラブルについて、無料で相談できる窓口です。
契約内容違反など、法律に関する専門的な知識が必要で、弁護士の手を借りたいときに利用を検討するとよいでしょう。

6-2| 安心のために点検してもらう必要性とかかりつけ電気工事店の重要性

コンセントから火花が飛ぶトラブルに遭遇したら、今後被害に遭わないためにも、プロの点検を受ける必要があります。専門知識を持った電気工事店のスタッフに相談すれば、配線やコンセントの状態を確認し、適切な対策を提案してくれます。

 

電気設備は店舗等の営業に欠かせないものです。安心して利用するためにも、かかりつけの電気工事店を持つことが重要です。

7| コンセント火花の安全対策のために今すぐ知識を深めよう!

コンセントから火花が飛ぶ原因には、プラグの差し込み時の電源状態、たこ足配線の過度な使用、トラッキング現象など、様々なものが考えられます。対策として、プラグとコンセントの定期的なクリーニングが推奨されます。

 

火花トラブルに関する工事は、基本的に電気工事士の資格や経験が求められます。修理や点検を依頼する際には、複数の業者から見積もりを取得して、最適な業者を選ぶと良いでしょう。

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トータルソリューションでは、チェーン展開をしている企業様向けに電気設備を中心とした建物設備の総合メンテナンスを行っております。コンセントから火花が出た時はもちろん、コンセントの焦げ、照明の不点灯による器具交換、漏電調査、アンペア変更などに伴う調査や施工など、電気設備の修理・メンテナンスはトータルソリューションにお任せください。全国のトラブルを24時間365日受け付けています。この他にもLED照明の新規取付・交換工事、高圧受変電設備工事などの電気設備改修などの大型工事まで幅広く対応しております。オフィスや店舗環境を良くし、業務効率売り上げ向上のために電気設備の改善が必要な場合は、トータルソリューションにご相談ください。トータル的に長い目で快適な環境を維持できるように、問題解決を図ります。(※ご契約後にサービスが開始となります)

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