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公開日:2023年6月9日

契約アンペア数の目安を知ろう!最適化で電気料金の節約にも!?

店舗やオフィスの運営において、頻繁に落ちるブレーカーや電気代を気にした電気機器の使い方がストレスや作業効率に影響しては意味がありません。快適に使える環境を整えるために、電力会社との契約アンペアを適切に設定しましょう。本記事では、契約アンペアの言葉の意味や適した契約アンペアの選び方、変更方法を解説します。

ブレーカーの画像でんきの窓口

1| 契約アンペアをおさらい!

電気機器を快適に使い、電気料金を節約するには契約アンペアを最適化することが大切です。まずは、契約アンペアの意味や、契約アンペア数を確認する方法をご紹介します。

1-1| 契約アンペアとは

アンペアとは電流の量(流れる電気の大きさ)の単位で、「A」と表すこともあります。契約アンペアとは、電力会社との契約によって決められた一度に使用できる電気の量です。一度に多くの電気を使ったり複数の電気機器を同時に使用したりする場合は、あらかじめ契約アンペア数を大きくしておく必要があります。尚、電力会社によっては契約アンペア制度を導入していない場合もあります。

 

契約アンペアを採用している電力会社の基本料金は、契約アンペアごとに設定された金額を支払います。

 

契約アンペアは契約者が任意の数字を設定するのではなく、電力会社からプランとして提供されています。例えば、東京電力従量電灯での区分は下記7つです。

  • 10A
  • 15A
  • 20A
  • 30A
  • 40A
  • 50A
  • 60A

1-2| 契約アンペア数を確認する方法

契約アンペア数は、以下のような方法で確認が可能です。

 

  • 電気使用量の明細書(検針票)
  • 電気代の請求書
  • 電力会社のホームページ内にある契約者専用マイページ
  • ブレーカーの色やブレーカーに記載された数字

分電盤のブレーカーを確認することでも、契約アンペアを把握することができます。分電盤のふたを開けると、ブレーカーの表面またはつまみの部分が色分けされており、その色によって契約アンペアを判断することが可能です。

ただし、色の分け方は電力会社によって異なります。ここでは、東京電力の色分けを例に紹介します。

契約アンペア 10A 15A 20A 30A 40A 50A 60A
ブレーカーの色 ピンク 黄色 灰色

ブレーカーの色チェックの図でんきの窓口

1-3| 契約アンペア数を変更するとは

契約アンペアの変更とは「一度に使用できる電気の量の上限を変更する」ことで、電力会社との契約内容を変更することです。

 

例えば一度に使用する電気の量が足りておらず、頻繁にブレーカーが落ちる場合は、契約アンペア数を大きくします。使用する電気機器が減ったりオフィスを縮小した場合は、ビジネスの規模に合わせて契約アンペア数を小さくします。

 

契約の変更なので、オフィスや店舗側の操作だけで変更することはできません。

2| 契約アンペアと電気料金の関係性とは?

契約アンペアを変更すると、電気代が節約できることがあります。契約アンペアと電気料金の関係を知り、適切な電気代となるよう考えてみましょう。

2-1| 契約アンペアに応じて基本料金が決まる

多くの電力会社では、契約アンペアに応じて電気料金の基本料金が決まります。例えば40Aでも十分に電力量が足りるのに60Aで契約をしていた場合は、契約アンペアを適切な契約に変更することで、毎月の電気基本料を下げられます。

 

尚、使用した電気量に応じて料金が発生する「電力量料金」は契約アンペアに関わらず、単価は一律です。

でんきの契約プランの画像でんきの窓口

2-2| 契約アンペアの容量は小さすぎても大きすぎてもダメ

契約アンペアは小さすぎても大きすぎてもデメリットがあるため、適切であることが大切です。

 

契約アンペアが小さいと

一度に使える電気の量が小さいため、電気の量が足りずにブレーカーが落ちてしまいます。複数の電気機器を使用するタイミングをずらすなど、工夫が必要です。工夫をしてもブレーカーが落ちてしまう場合は契約アンペアを大きくする必要があります。

 

ブレーカーが落ちるとパソコンやパソコン内のデータが壊れてしまうことがあり、業務に支障が出ることも考えられます。

 

契約アンペアが大きすぎると

業務に大きく影響することはありませんが、無駄なコストがかかっている可能性があります。電力会社の基本料金は契約アンペアに基づいて決定しているため、契約アンペアが大きいほど高額です。

 

必要以上に大きいアンペア数での契約は、必要のない基本料金を支払っていることになります。

2-3| 契約アンペア数を変えるメリット

契約アンペアを変更するメリットには、次のようなものがあります。

 

  • 契約アンペアを大きくする場合……ブレーカが落ちなくなる
  • 契約アンペアを小さくする場合……コストの削減

 

契約アンペアを大きくすると、電気不足のためにブレーカーが落ちることがなくなり、安心して電気を使えるようになります。ブレーカーが落ちることで機器の復旧に時間を取られているような場合は、メリットが大きいでしょう。

 

契約アンペアを小さくする場合のメリットはコストの削減です。基本料金が安くなるため固定費の削減ができます。従業員に契約アンペアを小さくしたことを周知することで、従業員が節電意識をもつため、電気の使用量を減らす効果も期待できます。

2-4| 契約アンペア容量で電気料金はこれだけ変わる

契約アンペアによってどれくらい電気の基本料金が変動するのかご紹介します。電気の基本料金は電力会社により異なります。また、契約アンペアによる基本料金の制度を導入していない電力会社もあるので、詳しくは契約中の電力会社のホームページなどで確認してください。

各電力会社の契約アンペアと基本料金(円/月額)

10A 15A 20A 30A 40A 50A 60A
東京電力(従量電灯B、 C) 295.24 442.86 590.48 885.72 1180.96 1476.20 1771.44
北海道電力(従量電灯B) 341.00 511.50 682.00 1023.00 1364.00 1705.00 2046.00
中部電力(従量電灯B) 297.00 445.50 594.00 891.00 1188.00 1485.00 1782.00
九州電力(従量電灯B) 316.24 474.36 632.48 948.72 1264.96 1581.20 1897.44

月に数百円の差ですが、年間の固定費を削減が可能です。

3| 目安を知ろう!契約アンペア数の計算方法と選び方

契約アンペアは、使用状況に合った適切なものを選ぶことが大切だとわかりました。では、適切なアンペア数を選ぶにはどのようにしたら良いのでしょうか。ここでは、目安となる平均的な契約アンペア数や、店舗・オフィスに合わせた計算方法をご紹介します。

3-1| 平均的な契約アンペア数

5人が使用するオフィスでの平均的な契約アンペアは、40A程度です。ただし、使用する電気機器の多さや、電気機器の消費電力の大きさによって、差があります。

3-2| 店舗やオフィスに合った電気のアンペア使用量の計算方法

店舗やオフィスの環境に合わせた電気のアンペア使用量を計算する際には、常に電力を使用している電気機器と、一時的に使用する電気機器に分けて計算します。分け方の具体例は、下記の通りです。

 

● 常に電力を使用しているもの ・・・ 照明器具、エアコン、パソコン、複合機、冷蔵庫
● 一時的に使用するもの ・・・ シュレッダー、電子レンジ、コーヒーメーカー

 

常に電力を使用している電気機器のアンペア数を合計したものを「ベース電力」と呼びます。また、一時的に大きな電力を消費するものを「ピーク電力」と呼びます。ピーク電力は同時に使う可能性がある電気機器のアンペア数を合計したものの中で、大きい数字を参考にします。

 

ベース電力とピーク電力を合算したアンペア数を目安に、少し余裕をもって契約アンペアを選びます。

3-3| 主な電気機器のアンペアの目安

主な電気機器の目安となるアンペア数をご紹介します。

● 蛍光灯(1本) ・・・ 0.3A程度
● エアコン(10畳用) ・・・ 冷房時5.8A、暖房時6.6A
● エアコン(10畳用・起動時) ・・・ 冷房時14A、暖房時20A
● パソコン ・・・ 2〜4A
● 複合機 ・・・ 10A前後
● シュレッダー ・・・ 1.5〜6A
● 冷蔵庫(450L) ・・・ 2.5A
● 電子レンジ ・・・ 15A
● コーヒーメーカー ・・・ 12A

主な電気機器のアンペアの目安の図でんきの窓口

電気機器の消費電力の大きさや機能によってアンペア数は変動するので、目安としてください。

上記のようなオフィス環境の場合、電力利用割合は以下のように考えることができます。規模は5人程度で、エアコンで暖房を使用しており、電子レンジやコーヒーメーカーは使用されていないとします。

〇 ベース電力(常に電力を使用しているもの)⇒合計33.4A
● 蛍光灯 ・・・ 1.8A(6本使用)
● エアコン ・・・ 15A(3A×5人)
● パソコン ・・・ 2〜4A
● 複合機 ・・・ 10A
〇 ピーク電力(一時的に大きな電力を消費するもの)⇒合計1.5~6A
● シュレッダー ・・・ 1.5〜6A

ベース電力とピーク電力の合計は34.9〜39.4Aとなるため、契約アンペアは40Aが適切です。電子レンジやコーヒーメーカーを使用するとさらに電力を消費するため、電気容量に余裕を持つ場合は、50Aくらいで契約を検討しても良いでしょう。

4| 契約アンペア数の変更手順

ここからは、契約アンペア数を変更する手順をご紹介します。順番に確認をしながら手続きを進めていくとスムーズに進められます。工事が必要になる場合もあるので、契約アンペアの変更から実施まで余裕をもって計画しましょう。

4-1|  契約アンペアの内容を確認しよう

電力会社が発行する検針票などから、電力会社との契約内容を確認します。電力会社によっては、契約が「アンペア制」ではない場合もあります。契約内容に「○○A」といった表示がないときは「最低料金制」や基本料金自体がない料金プランが採用されています。契約がアンペア制でない場合は契約アンペアの変更は必要ありません。

4-2|  変更の申し込みをしよう

契約アンペアの変更を申し込む手続き方法は、以下2つです。

 

  • 電力会社の契約者専用マイページからWebで申し込み
  • カスタマーセンターなどへ電話で申し込み

 

Webで申し込む場合は基本的に24時間いつでも申し込みが可能で、工事の依頼や日程希望などもWeb上で一緒に行える場合が多いです。

 

電話で申し込む場合は、案内に従って契約変更の担当者に繋ぎ、変更の申し込みを行います。

5| 契約アンペア数の確認にはこんな方法もある

ここまで一般的な契約アンペア数の確認方法と変更手順を説明してきました。使いたい目安は明確になったけれども、実際にその使用方法に最適な配線回路になっているかは、電力会社ではわかりません。気になる場合は電気設備業者に確認してもらいましょう。適切な契約アンペアへの変更方法を確実にするために、専門的な確認方法を4つ紹介いたします。

5-1| 最適な電気回路になっているかを確認する

建物の中の電気回路は1つではなく、分電盤によって各部屋や部分に回路が分けられています。1つの回路のなかに消費電力の大きい電気機器が複数入っていると、その回路だけブレーカーが落ちます。

 

特定の回路のブレーカーが頻繁に落ちているのなら、消費電力の大きい電気機器を別々の回路で使用することで、ブレーカーが落ちるのを防げる可能性があります。

 

契約アンペアを変更する前に、電気機器の消費電力と回路について見直してみましょう。

配線工事の図でんきの窓口

5-2| 分電盤に空き回路がないか確認する

分電盤に空き回路があれば、工事を行い使えるようにして、契約アンペアを変更せずに済む可能性があります。消費電力が大きい電気機器専用の回路を作り、ブレーカーが落ちるのを防ぐのです。

 

例えばエアコンは、専用回路を使って使用するのが一般的です。電子レンジや冷蔵庫なども、専用の回路があると安心でしょう。専用でなくても回路を増やして電気機器を繋ぎ直すことで、1つの回路内の電力の消費量が小さくなり、ブレーカーを落ちにくくできることがあります。

5-3| 将来的に電気容量は増えそうなら電気工事の必要性を検討する

将来的に電気容量が増えそうなら、電気工事をして安心して電気を使える環境を作ることも検討してみましょう。ブレーカーが落ちるようになってから回路増設などの工事を検討するより、先に準備しておいた方が、事業に影響が少なく都合のよいタイミングで工事ができます。

 

一般的な電気の契約アンペアは60Aまでですが、60A以上を希望することもできます。その際はブレーカーを主開閉器(メインブレーカー)に変更し、必要に応じて配線等の工事を行います。

 

  • 負荷設備契約:建物内に設置されているすべての電気機器の消費電力量を合計して契約アンペアを決定
  • 主開閉器契約:主開閉器の電気容量を基に料金を算出

 

どちらの契約が適切なのかは電気の使い方によって決まるため、使用状況に最適な契約形態を選びましょう。

オフィス、ビルの俯瞰図でんきの窓口

5-4| 電気回路の設計が気になるなら経験豊富な業者に相談する

電気回路が最適なのかがわからない、空いている回路があるのかわからないなど契約アンペアを変更するべきなのか判断できない場合は、経験豊富な専門業者に相談してみましょう。

6| まとめ

契約アンペアは、電力会社との契約によって決められた「一度に使用できる電気の容量の上限」です。アンペアを基本料金に導入している電力会社では、契約アンペアによって電気代の基本料金が決まるため、小さい契約アンペアに抑えたいところですが、小さすぎると電気の容量が足らずブレーカーが落ちてしまいます。

 

最適なアンペア数で契約するためには、使用している電気機器の消費電力などを目安に必要な電気容量を割り出す方法が一般的です。しかし、回路を最適にしたり、空き回路を利用したりすることで、小さなアンペア数でも快適に電気を使える場合もあります。

 

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