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公開日:2023年7月29日

更新日:2026年4月28日

駐車場トラブル対策に有効な防犯カメラ。メリットや選び方、ポイントなど

駐車場トラブル対策に有効な防犯カメラ。メリットや選び方、ポイントなど

駐車場に防犯カメラを設置することで、無断駐車や当て逃げといった駐車場トラブルの抑止・早期解決を図れます。一方で、防犯カメラを設置していないと、トラブルを解決できないばかりか、経営にまで影響が及ぶリスクがあります。

防犯カメラの種類・機能はさまざまなため、「どんな防犯カメラを選んだらよいかわからない」という方もいるかもしれません。運用時のことを考えると、外出先や自宅からでも録画データを見られるものを選ぶという選択肢もあります。

この記事では、駐車場に防犯カメラを設置する重要性やメリット、防犯カメラの選び方や設置・運用のポイントなどをご紹介します。

この記事は、こういう方におすすめです!
    • 駐車場トラブルが増加しており、防犯カメラの設置を検討している駐車場や店舗・飲食店のオーナー
    • 費用との兼ね合いもあり、「自分たちの駐車場において本当に求められる防犯カメラの性能・機能は何か」を明確にした上で、最適な防犯カメラを選びたい方
    • 「駐車場に防犯カメラを設置したのに、あまり効果がなかった」といったことがないよう、設置・運用のポイントを理解しておきたい方

もくじ

1| 駐車場トラブルの抑止・早期解決には、防犯カメラが有効!

駐車場トラブルの抑止・早期解決には、防犯カメラが有効!

無断駐車や当て逃げといった駐車場トラブルに悩まされている、駐車場や店舗・飲食店などのオーナーは多いでしょう。

駐車場トラブルの抑止や早期解決には、防犯カメラが有効です!

1-1| 防犯カメラの設置で抑止しやすくなるトラブル

駐車場に防犯カメラを設置することで抑止しやすくなるトラブルを、設置場所別にご紹介します。

設置場所 抑止しやすくなるトラブルの例
コインパーキング ・料金未払いでの出庫
・ロック板、ゲート、精算機などの損壊
・車上荒らし
アパート・マンション ・不審者の侵入
・車へのいたずら
・住人以外の無断駐車
店舗・商業施設 ・利用客以外の無断駐車
・車上荒らし
・利用客同士のトラブル
工場・倉庫・資材置き場 ・資材や重機などの盗難
・関係者ではない車両の不法侵入

防犯カメラを設置すれば、これらのトラブルやそれに関連した事故などの早期解決にもつながります

1-2| 防犯カメラの設置で早期解決しやすくなるトラブル

駐車場への防犯カメラ設置により、当て逃げや車と歩行者の接触事故なども早期解決しやすくなります

当て逃げや車と歩行者の接触事故を解決するには、「どの車が当たったのか」「その車を誰が運転していたか」の特定が不可欠です。防犯カメラを設置しておけば、車両の特徴やナンバーが録画データに残るため、事故を起こした車両の特定に寄与します

1-3| 防犯カメラを設置しないとどうなる?

「反対に、駐車場に防犯カメラを設置していないとどうなってしまうのか」とご懸念される方もいるでしょう。

防犯カメラを設置しないと、以下のようなリスクが懸念されます。

防犯カメラを設置しないリスク

  • 駐車場トラブルが頻発する
  • トラブルの解決に時間がかかる、または解決できない
  • 状況によっては、駐車場や店舗・飲食店のオーナーに管理責任が問われる(※詳細は後述)
  • 駐車場トラブルがきっかけで、クレームや顧客離れにつながる可能性がある
  • 事実を誇張した情報などをSNSで流され、風評被害を受ける など


こうしたリスク回避のためにも、防犯カメラの設置を進めましょう。

2| 【重要】駐車場における管理責任は?

【重要】駐車場における管理責任は?

防犯カメラによって抑止・早期解決できる駐車場トラブルについてご紹介しましたが、そもそも駐車場における管理責任はどのようになっているのでしょうか。

駐車場や店舗・飲食店のオーナーに求められる管理責任について解説します。

2-1| 貸駐車場オーナーの管理責任

貸駐車場で「無断駐車」や「はみ出し駐車」などが発生した場合、貸駐車場オーナーには責任があります。背景にあるのは、駐車場利用に先立ち、駐車場のオーナー(貸主)と利用者(借主)の間に結ばれる賃貸借契約および、賃貸借契約の効力を規定する民法601条です。

民法601条では、賃貸借契約における貸主側の義務として「賃貸借は、当事者の一方がある物の使用及び収益を相手方にさせること」と定めています。

これを貸駐車場の賃貸借契約に当てはめると、「オーナーは利用者に対して駐車場として利用できる場所を提供する責任を負う」ということを意味します。すなわち、オーナーには利用者に対して駐車可能な状態の場所を常時提供することが求められ、オーナーが無断駐車を放置すると契約上の義務を果たしていないと見なされるリスクがあります。

そのため、無断駐車や車両のはみ出し駐車などにより利用者が適切に駐車できない状況が生じた場合、オーナーはこれらの問題を排除し、常に利用可能な状態を維持する責任があります。

2-2| 店舗・飲食店オーナーの管理責任

店舗の駐車場でトラブルが起こった場合、通常は店舗側が責任を持つことはありません道路交通法において、店舗の駐車場は「道路」と同じように扱われるためです。

店舗の駐車場で事故が発生した際は道路交通法が適用され、事故の責任は当事者同士で問われるため、店舗側に責任は発生しません。

ただし、例外として、以下のようなケースでは店舗側が責任を負うこともあります。

例外的に店舗側が責任を負うケース

  • 駐車場の設備や環境に欠陥があった場合
  • 店舗が有料の駐車場を借りて用意していた場合

2-3| 防犯・安全対策が不十分だと責任が問われることも

駐車場トラブルについては、基本的には当事者のみが責任を負います。しかし、例外的に、オーナー・管理者が責任を問われる可能性があるケースもあります

駐車場トラブル オーナー・管理者が責任を問われる可能性があるケース
盗難、車上荒らし、当て逃げ、いたずらなど ・防犯設備が充実した駐車場であることを前提に契約を結んだ場合
・利用者から車の鍵を預かり、車両の管理や保管をオーナーや管理会社が行っていた場合
駐車場内での自動車事故 ・駐車場の安全性を確保するための設備が不十分で、それに起因する事故が発生した場合

【例】
・入口が狭く視界が悪い駐車場において、反射鏡が設置されていなかったことが原因で事故が発生したとき
・車止めのずれが原因で正しく停車できず、車を壁にぶつけてしまったとき など

3| 駐車場に防犯カメラを設置するメリット

駐車場に防犯カメラを設置するメリット

駐車場に防犯カメラを設置するメリットとしては、以下のようなものがあります。

駐車場に防犯カメラを設置するメリット

  • 防犯の効果がある
  • 証拠が残る
  • 利用者トラブルを防止できる
  • 風評被害の発生を防止できる
  • マーケティングへの活用もできる


一つずつ、ご紹介します。

3-1| 防犯の効果がある

防犯カメラを設置することで、駐車場利用者による悪質行為を防ぐ効果が期待できます。具体的には、フロントガラス・タイヤへのいたずらや、危険な運転(場内でのスピードの出し過ぎやショートカットなど)をしようと考える利用者への心理的抑止となるでしょう。

また、防犯カメラがあることで、女性の利用者に安心感を与えられる効果もあります。

3-2| 証拠が残る

特に無人のコインパーキングでは、精算機荒らしに遭いやすいです。防犯カメラを活用すれば、駐車・出庫時に必ず通過する場所を24時間撮影でき、証拠として残しておけるため、犯罪抑止にもつながるでしょう。

3-3| 利用者トラブルを防止できる

駐車場では、混雑する時間帯や特定のタイミングでトラブルが発生しやすいと言われています。長時間の運転による疲労や、渋滞、駐車スペースの不足などが原因で、利用者間のいらだちがトラブルを引き起こす可能性もあります。このような利用者トラブルを防止するためにも、防犯カメラは効果的です。

3-4| 風評被害の発生を防止できる

駐車場トラブル発生時に対応を間違えると、クレーマーによるいやがらせや風評被害が発生する原因となります。風評被害とまではいかなくとも、トラブル発生時にしっかり対応してくれないような駐車場を積極的に利用したいと思う人はいないはずです。

防犯カメラを設置することで、映像という明確な証拠を元にトラブル解決を迅速に進めることができます。風評被害の発生を抑止でき、経営への悪影響を未然に防げるでしょう。

3-5| マーケティングへの活用もできる

防犯カメラの種類によっては、撮影した映像から利用者の年齢層・性別を判別できる「顔認証」機能や、ピークの時間帯を記録できる機能が搭載されたものもあります。これらの機能が搭載された防犯カメラを導入すれば、サービスの効果的なマーケティングにつなげられます。

例えば、繁忙期や閑散期を把握し、割引セールを実施する時期を工夫するなどの施策で、効果的に利益を上げることが可能です。

4| 駐車場にはどのような防犯カメラを設置したらよい?

駐車場にはどのような防犯カメラを設置したらよい?

駐車場の防犯対策として防犯カメラを導入する場合、どのような機能が備わったものを選ぶと良いのでしょうか。

防犯カメラを選ぶ際に確認したい6つのポイントをご紹介します。

4-1| 人物・車種の特定ができる

未払い出庫や精算機の破壊、車上荒らしなどの駐車場トラブルを解決するためには、犯人を迅速に特定できる対策が重要です。

人・車の詳細をはっきりと確認できる、高画質な防犯カメラを選びましょう。最近では高画質化技術と画像処理技術の進歩により、高精細なHDやフルHDのカメラを手頃な価格で手に入れられます。これらのカメラを使えば、人物の顔・車の種類などを鮮明に映し出す映像証拠を、必要なときに警察に提供できます。ただし、HDやフルHDの防犯カメラを設置する際は、それらの映像を表示できる監視モニターも必要となることを忘れないでください

また、特におすすめなのが、「AI人検知」に対応した防犯カメラです。「AI人検知」とは、防犯カメラの撮影映像をAIがリアルタイムで分析し、「人」が映った場合のみを検知対象とする機能のことで、風や影、小動物などによる誤検知を抑制できます。

4-2| ナンバープレートの読み取りができる

車のナンバープレートを明確に識別するためには、通常のHD・フルHDカメラでは不十分な場合があります。

例えば、ナンバープレート近くに明るい光源があると、光が強すぎて画像が白く見えてしまう「ハレーション現象」が起こることがあります。特に夜間の街灯や車のヘッドライト、雨濡れでナンバープレートに光が反射すると、読み取りがさらに難しくなります。

駐車場に防犯カメラを設置する際は、明るい光による影響を受けにくく、ナンバープレートの識別に適したものを選ぶことがおすすめです。

4-3| 夜間や暗所も撮影できる

駐車場において自動車の盗難や車上荒らしが起こるのは、ほとんどが夜間や暗い場所です。実際、日本損害保険協会の調査によると、2025年に発生した車上狙いの半分近く(48.2%)が夜中から早朝(22時~翌9時)にかけて起こったものでした

そのため、昼夜問わず人の顔・車種・ナンバープレートをはっきりと撮影できる防犯カメラが必要となります。おすすめは、昼用と夜用の撮影モードを自動で切り替えてくれる「デイナイト機能」を備えた防犯カメラです。

デイナイト機能を持つ防犯カメラには、近赤外線を用いて撮影する「赤外線照射式カメラ」とカメラ内部で光を増幅させる「高感度カメラ」の2種類があります。赤外線照射式カメラは、ほとんど光がない場所でも撮影できますが、カラー撮影機能がない場合は映像が白黒になります。

光がほとんどない場所には赤外線照射式カメラ、少しでも明かりのある場所には高感度カメラを設置すると良いでしょう。

参考:一般社団法人 日本損害保険協会第27回 自動車盗難事故実態調査結果

4-4| 耐久性がある(防水、防塵、耐衝撃)

駐車場に防犯カメラを設置する際は、その耐久性も重要なポイントです。特に屋外の駐車場では、カメラが雨・風・ほこりに晒されたり、何らかの衝撃を受けたりする可能性がありますので、「防水」「防塵」「耐衝撃」の特性が高い製品を選びましょう。

製品の強さや耐久性を示す基準として、日本工業規格(JIS)のIP66等級やIP67等級があります。これらの等級の製品を選べば、防犯カメラとして十分な耐久性を確保できます。

4-5| 広域撮影ができる

駐車場内に死角が生まれないよう、広域撮影できるカメラを選ぶことも大切です。

例えば、「バリフォーカルレンズ付きカメラ」であれば、望遠モードと広角モードを切り替えることで駐車場の広い範囲をカバーできます。

このようなカメラを駐車場全体が見渡せるような場所や、駐車場の入口付近などに設置すると良いでしょう。野外の駐車場に設置する場合、防犯カメラ用のポールを活用することで、より広い範囲をカバーしやすくなります。

広域撮影する際には、周辺住民などのプライバシーにも配慮する必要があります。そこでおすすめしたいのが、「プライバシーマスク機能」です。撮影範囲内にある特定エリア(隣家の敷地や窓、店舗前の公道など)の映像データに自動で「ぼかし」「黒塗り」などできる機能ですので、広域撮影時にこの機能を使えば、広範囲の撮影とプライバシーへの配慮を両立できます。

4-6| 録画データを見返すことができる

防犯カメラ選びの際は、映像の録画・保管に関する機能がしっかりしたものであるかも確認してください。駐車場トラブルが発生した場合、録画データを見返す必要があるためです。

具体的には、以下のようなポイントを押さえた防犯カメラを選びましょう

ポイント 補足
長時間録画が可能 24時間365日間録画できるものが望ましい

※短時間しか記録できないと、重要な映像が上書きされてしまう可能性がある

保存方法が安全 データが暗号化され、認証を経た人しか閲覧できない安全な保存方法が採用されているものが望ましい

※保存された映像が他人に見られてしまうと、プライバシーの侵害につながる

クラウド録画に対応している クラウド録画(録画をインターネット経由でクラウド上のサーバーに直接保存する技術)に対応しているものが望ましい

※外出先や自宅からでも録画データを確認でき、利便性が高い

防犯カメラの選び方について、さらに詳しく知りたい方は、下記の記事をご一読ください。

5| 駐車場に防犯カメラを設置する際のポイント

駐車場に防犯カメラを設置する際のポイント

駐車場に防犯カメラを設置する際は、「撮影範囲の決定」「設置位置の決定」「専門業者への工事依頼」が求められます。

5-1| 撮影範囲を決める

まずは、撮影範囲を決めましょう

駐車場トラブルは場内のどこで発生するかわからないため、大前提として、設置場所を問わず、場内全体を広く撮影し、死角を減らす必要があります。つまり、広角撮影可能な防犯カメラの設置が必要です。

しかし、広角撮影ですと撮影範囲が広がる分、どうしても映像が粗くなってしまいます。そのため、「どういう目的で防犯カメラを設置するのか(主にどのような駐車場トラブル対策として設置するのか)」によっては、ピンポイントでの撮影が必要となるケースもあります。つまり、望遠撮影可能な防犯カメラの設置も必要となってくる場合があるのです。

設置場所 解消したいトラブルの例 ピンポイント撮影する範囲
コインパーキング 料金未払い出庫 ・精算機周辺
・駐車場の出入口 など※車のナンバーや運転手の顔を撮影しやすいところを撮影するとよい
アパート・マンション 住人以外の無断駐車や車・自転車へのいたずら ・駐車場や駐輪場の出入口
・フェンスや生け垣に隠れる場所 など※住人や管理人の目が届きにくく、無断駐車・いたずらをされやすいところを撮影するとよい
店舗・商業施設 利用客以外の無断駐車 ・駐車場の隅(店舗から離れた場所)
・樹木や看板に隠れる場所 など※従業員の目が届きにくく、無断駐車されやすいところを撮影するとよい
工場・倉庫・資材置き場 資材・重機の盗難や不法侵入 ・駐車場の出入口
・搬入口やシャッターの前
・重機置き場・資材保管エリア など※不審な人・車両を確認しやすくところや資材・重機の保管場所を撮影するとよい

なお、工場・倉庫・資材置き場では、夜間・早朝に資材・重機の盗難や不法侵入が発生しやすい傾向にあります。そのため、夜間に強い赤外線カメラや、侵入者を検知してスマホに通知するAI人検知機能がついている防犯カメラを選ぶことを推奨します。駐車場が広くて広範囲の撮影が必要になる場合は、「広角カメラ」と「ナンバーや顔を取るための専用カメラ」を組み合わせて使うこともトラブル解決の近道となるでしょう。

5-2| 設置位置を決める

撮影範囲を踏まえ、設置位置を決めましょう。駐車場ごとに構造や特性が異なるため、死角ができないように意識しながら、防犯カメラの台数や配置を決定する必要があります。

防犯カメラは「人目につきやすい位置」および「手が届きにくい高い位置」に設置するのが定石です。

防犯カメラの設置位置 理由
人目につきやすい位置 ・防犯カメラがある駐車場だと一目で伝わることで、駐車場トラブルの抑止効果が高まるため
・「防犯意識の高い駐車場」であることをアピールでき、利用者の安心感につながるため
手が届きにくい高い位置 ・手が届きにくい位置であれば、防犯カメラへのいたずらや破壊行為が起こりにくくなるため
・高い位置に設置すると、広い範囲の撮影がしやすいため

なお、設置位置が高すぎると、車両の特徴や運転手の顔などを鮮明に映すことができません。一般的には、地上から3m~4mの高さに設置するのがベストとされています。

5-3| 設置工事を専門業者に依頼する

防犯カメラの種類や設置位置などによってはDIYでの取り付けが難しく、専門業者に設置工事を依頼することになるケースもあります。

専門業者に依頼すべきこと 補足
電源確保のための工事 駐車場に電気が供給されていない場合、基本的には電源を確保するための工事が必要
インターネット回線の引き込み 遠隔監視システムを活用するためには、インターネット回線が必要
専用ポールの設置 設置する環境などによっては、専用ポールの設置が必要になる

電源確保のための工事には、基本的に電気工事士の資格や経験が求められます。

なお、配線工事が必要になると、工事費用が高額になる傾向があります。費用を抑えるための方法(「PoE給電」「LTE+ソーラー」「LTE+バッテリー」など)はいくつかありますので、専門業者に相談してみてください。

防犯カメラの適切な設置場所や角度、配線のルートなどを決定する際にも専門業者からの助言が役立ちますので、その観点からも専門業者への問い合わせをおすすめします。

6| 駐車場で防犯カメラを運用する際にすべきこと

駐車場で防犯カメラを運用する際にすべきこと

駐車場で防犯カメラを運用する際は、「防犯カメラを設置していることの周囲への告知」と「定期的なメンテナンスの実施」が求められます。

6-1| 防犯カメラを設置していることを周囲に告知する

現状、防犯カメラ設置の告知に関する明確な法的ルールはありません。

しかしながら、プライバシーへの配慮から、防犯カメラを設置していることを周囲に告知することは社会的要請となっているのが実情です。また、法的拘束力はないものの、自治体によっては独自のガイドラインで告知を強く推奨しているところもあります。

そのため、運用開始に先立ち、防犯カメラを設置していることをステッカーなどで告知するのが望ましいです。告知しておくことで、「隠し撮りされたように感じて、不快だ」といったクレームを防げるだけでなく、さまざまな駐車場トラブルの抑止にもつながります。

6-2| 定期的にメンテナンスを行う

防犯カメラの安定運用や長寿命化のためには、定期的にメンテナンスを行う(専門業者にメンテナンスしてもらう)必要があります。メンテナンスの実施頻度は年に1回ほどが望ましいです。

一方で、メンテナンスをしなかった場合には、以下のようなリスクが懸念されます。

メンテナンスをしない場合のリスク

  • レンズの汚れが放置され、ピント不良や画面の白とびなどが生じる
  • カメラ向きのずれに気付かず、本来録画したかった範囲の一部がカメラの画角から外れる
  • 内部機器の故障の発見が遅れることで、「映像が映らない」「録画できない」といったトラブルが生じ、防犯カメラの意味をなさなくなる など


リスク回避のためにも、専門業者に定期的にメンテナンスをしてもらいましょう。

7| 駐車場の防犯カメラに関するよくある質問

駐車場の防犯カメラに関するよくある質問

駐車場の防犯カメラについてもっと詳しく知りたい方のために、よくある質問とその答えをご紹介します。

7-1| 防犯カメラの設置義務はある?

設置義務はありません。とはいえ、防犯カメラの設置には防犯効果などが期待でき、利用者の安心感にもつながるため、設置を強くおすすめします。

なお、設置に先立っての利用者への説明は法的には義務付けられてはいないものの、円滑な運用のためには利用者の理解・協力を得ることが不可欠であることから、事前説明をしっかりすることが望ましいです。

7-2| どのくらいの期間、録画データを保存したらよい?

録画データの保存期間は「1週間~1カ月」程度が一般的ですが、設置場所によって、推奨される期間は異なります。

たとえば、1-1| 防犯カメラの設置で抑止しやすくなるトラブルでご紹介した4つの設置場所における録画データ保存期間の目安は以下のようになっています。

設置場所 録画データ保存期間の目安 理由
コインパーキング 1週間~2週間 料金未払い出庫や機器の損壊などは当日中に発覚するケースが多いため
アパート・マンション 2週間~1カ月 出張や旅行などで家を空けた後に、駐車場トラブルに気付くケースがあるため
店舗・商業施設 1週間~1カ月 当て逃げなどの駐車場トラブルは当日~数日以内に発覚するケースが多いため
工場・倉庫・資材置き場 1カ月~数カ月 使用頻度の少ない機器・資材などが盗まれた場合、発覚までに時間がかかるケースが多いため

あくまで目安のため、「実際に駐車場トラブルがどのくらいの頻度で発生しているか」などを踏まえて、データ保存期間を検討してみてください。迷った場合には、データ容量を圧迫しない範囲で、なるべく長期間保存しておくと安心できるでしょう。

7-3| 録画データの開示を求められたらどうする?

基本的に、データの開示を求めてくるのは「駐車場の利用者」または「警察」ですが、「開示を求めてきた相手」によって適切な対応が異なります

開示を求めてきた相手 適切な対応 理由
駐車場の利用者
(警察以外の個人・企業)
原則として、開示を断る

※事件性のある場合には、まず警察に相談してもらう

個人情報保護の観点から

※個人情報保護法違反となる可能性があるため、利用者に録画データを見せるのは原則NG!

警察 正式な手順を踏んだ上で、開示に応じる

※何の確認もしないまま、開示するのはNG!

捜査協力の観点から

※義務ではないが、事件の早期解決などにつながるため、開示を推奨!

警察へのデータ開示手順は、以下の通りです。開示を求められた際に冷静に対応できるよう、覚えておきましょう。


警察へのデータ開示手順

手順 対応 具体的な対応事項
1 警察であることを確認 ・警察手帳を見せてもらい、警察官であることを確認する
・判断に迷った場合には、名前や所属を聞き、警察署に在籍を確認する
2 「捜査関係事項照会書」の提示を求める ・正式な事件捜査であることを示した「捜査関係事項照会書」の提示を求める
・提示してもらったら、次の手順に進む
・提示してもらえなかった場合、開示を保留することが可能
3 データをしっかり確認する ・該当する日時の映像があるかを確認する
・事件に無関係と思われる第三者が写り込んでいないかなどを確認する(必要に応じて、モザイク処理を実施)
4 データを必要箇所のみ提供する ・必要箇所(特定の日時)のデータのみを提供する
・必要箇所以外については、提供しない

7-4| 駐車場の防犯対策として防犯カメラの他に有効なものは?

防犯カメラの他に有効なのが、「照明」と「セキュリティアラーム」です。防犯カメラと併用すれば、利用者にとってより安心な駐車場となるので、集客への好影響などが期待できるでしょう。

設置アイテム 設置による効果
照明 ・駐車場が周囲の車や通行人などから見えやすくなるため、駐車場トラブルの抑止力になる
セキュリティアラーム ・精算機から現金を盗む人や、駐車場内で怪しい行動を取る人を察知すると、音や赤色の明かりを使って注意を引く
・遠隔監視機能のある防犯カメラと組み合わせて使うと、警備員が駐車場にかけつける前に警告が出され、被害を最小限に抑えられる可能性がある

8| 駐車場に防犯カメラを設置し、トラブルを抑止・早期解決しよう!

駐車場に防犯カメラを設置し、トラブルを抑止・早期解決しよう!

駐車場に防犯カメラを設置することで、無断駐車や車上荒らし、当て逃げといったトラブルの抑止・早期解決が期待できます。「人物・車種の特定ができる」「広域撮影に対応している」など、本記事でご紹介した防犯カメラ選びのポイントを満たすものを設置しましょう。

設置時には「撮影範囲の決定」「設置位置の決定」「専門業者への工事依頼」が、運用時には「防犯カメラを設置していることの周囲への告知」と「定期的なメンテナンスの実施」が求められます。安定的に運用し続けられるよう、これらのことを確実に行いましょう。

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