公開日:2023年5月8日
蛍光灯をLEDに交換するとお得がいっぱい!交換事情を徹底解説
蛍光灯をLEDに交換すると省エネでコスト削減につながることはわかっていても、費用や照明の明るさ、取付方法などが心配で、なかなか導入できない方もいます。LEDを導入することでコスト面でどれくらいメリットがあるのか、またコスト以外のメリットや導入時のチェックポイントをご紹介します。
1| 蛍光灯とLEDを比較してみた
蛍光灯からLEDに交換するメリットは複数あります。それぞれの項目ごとに蛍光灯とLEDの違いを比較しました。あなたの状況に合わせてメリットとなるポイントを考えてみましょう。
1-1| 蛍光灯とLEDの節電効果やランニングコストの削減効果を比較
蛍光灯をLEDに交換するメリットとしてよく知られているのが節電効果やランニングコストです。
今使っている蛍光灯と同程度の明るさのLEDに交換することで電気代は3分の1になります。これは、消費電力の差によるもので、同じ明るさを得るために使う電力がLEDは蛍光灯の3分の1で済むためです。
またLEDの方が寿命が3倍長いので、交換にかかるコストを下げることができます。蛍光灯とLEDの寿命は、以下の通りです。
- 蛍光灯……6,000時間〜13,000時間(24時間つけっぱなしにした場合、8ヶ月〜1年半)
- LED……40,000時間(24時間つけっぱなしにした場合、5年)
LED照明は、蛍光灯に比べ購入費用は高いです。しかし電気代と寿命による交換頻度の差を考えると、LED照明を使用した方が節約になります。
1-2| 蛍光灯とLEDの照明効果や色温度の違い
LEDには蛍光灯にない、明るさや色を調整できる機能があります。明るさの調整は「調光」といい、暗いと穏やかで落ち着いた雰囲気に、明るいと活動的な印象になります。
また光の色は「色温度」といい、低いと赤やオレンジに近い色で焚き火やろうそくのようにリラックスした印象になります。色温度が高いと青白い色で緊張感があり冷たい印象です。食事は色温度が低い方が美味しそうに見え、色温度が高いと青白く見えて食欲が減退する効果もあります。
調光や調色ができるメリットは、1つの照明で何通りもの色や明るさを表現できる点です。例えば飲食店などでは、昼間は太陽光のような爽やかで明るい雰囲気に、夜は暗めで落ち着きのあるオレンジ色の光を使いたい場合があります。しかし、蛍光灯では明るさや照明の色を調整できないため、それぞれの雰囲気にあったものを用意し使い分けることで、雰囲気の差を作ります。
LED照明なら明るさも色も変えられるので、時間帯や好み、目的に合わせて、店舗やオフィスの雰囲気を変えることも可能です。
1-3| 蛍光灯とLEDの環境への配慮について比較
LEDは、蛍光灯や白熱電球に比べて環境に優しい製品です。蛍光灯などに含まれる水銀や鉛などを使っていないので廃棄処理がしやすいです。また、少ない消費電力量でも明るく照らすことができるので、二酸化炭素の排出量の削減効果があります。
LEDは蛍光灯と比べて寿命が長いため、交換頻度も低くごみの削減にもつながります。
2| 蛍光灯からLED照明へは自分で交換できるの?工事が必要なの?
LEDを導入するにあたって心配になるのが「工事が必要なのかどうか」です。自分で交換できる工事不要のケースもあれば、工事が必須の場合もあります。どのようなケースが当てはまるのか、考えてみましょう。
2-1|蛍光灯からLED照明へ交換する時に工事が不要なケース
現在蛍光灯を使用していてLED照明を導入するときに、工事が不要なケースは次の2つの場合です。
- 形状も接続方法も同じ
- 交換用蛍光灯と同じようなLEDに交換する場合
それぞれのケースを詳しくみてみましょう。
2-1-1| 形状が同じで接続方式が同じ場合は工事が不要
形状も接続方法も現在使っているものと同じLEDであれば、工事が不要です。照明の形状は電球型か環形の場合のみ、工事をしなくても使用できます。後述しますが、直管型蛍光灯(オフィスや学校などで使用されている長い管状の蛍光灯)の場合は、配線工事が必要です。
また照明器具ごとLED照明対応のものに交換する場合、現在使っている天井の配線器具がそのまま使えるLED照明であれば、工事が不要です。天井に取り付けるシーリングライトの場合は、配線器具の種類によって、自分で取り付け可能なものとそうでないものがあります。自分で取り付けられる配線器具の種類は、以下の通りです。
- 引掛シーリング(丸形、角形)
- 引掛埋込ローゼット
引掛シーリングとは、プラグを差し込み時計回りに回すだけで取り付け完了する配線器具です。引掛埋込ローゼットは、ネジで取り付けられる金属のツメがついています。
2-1-2| LED照明が交換用の電球のようになっている場合は工事が不要
交換用の電球や蛍光灯と同じ形のLED照明であれば、工事不要で使用できます。電球型の場合は、口金(ソケットに差し込む部分)の大きさが合うもののみ使用可能なので、現在使っている電球の口金サイズを確認しましょう。
LED照明の長さや大きさによっては、照明器具の中に収まらず、器具の交換が必要になることもあります。また、取り付け位置や接続方法が異なる場合も、工事が必要です。
2-2| 蛍光灯からLED照明へ交換する時に工事が必要なケース
蛍光灯からLED照明に交換する場合は、工事が必須となるケースもあり、正確な判断には専門知識が必要です。間違った対応をすると火災など事故の原因になる可能性もあるので、次のようなケースやそれに限らず不安なことがある場合は、専門家への相談をおすすめします。
2-2-1| 電気配線の変更が必要な場合は工事が必要
電気配線を変更する場合は工事が必要です。特に直管型蛍光灯からLED照明に交換するときはバイパス工事と呼ばれる配線工事をした方がよいでしょう。
バイパス工事なしで直管型蛍光灯からLEDに交換できる商品もありますが、バイパス工事をすると次のようなメリットがあります。
- 安定器の交換が不要になる
- 消費電力の削減
- 選べるLED照明の種類が増える
蛍光灯器具に取り付けられている安定器とは、電流や電圧を制御し蛍光灯が安全に使えるようにする機器です。安定器は10〜15年の寿命なので定期的に交換が必要になります。しかしバイパス工事をすれば、安定器を使わないので、交換も不要です。
また、安定器を使用していると、照明だけでなく安定器にも電気が流れるため、消費電力が増えてしまいます。安定器を使用せずLEDを使えるようにバイパス工事をすることで、消費電力の削減につながります。
バイパス工事をせずに使える直管型蛍光灯タイプのLEDは、一部の商品のみです。バイパス工事をすれば、選択できる種類が増えます。
バイパス工事など配線工事は、電気工事士の資格をもつ人のみが行うことができます。
2-2-2| 取り付け位置の変更が必要な場合は工事が必要
蛍光灯とLED照明の接続方法などが同じ場合でも、形状が違うと、取り付け位置を変更しなければならない場合があります。例えば、天井に埋め込んである蛍光灯をLED照明に交換する場合、天井の一部を切り取って、取り付け位置の調整が必要になることがあります。
2-2-3| 既存の古い蛍光灯器具に直管形LEDランプを付け替える場合は注意
蛍光灯器具は点灯方式の違いによって次の3種類に分けられます。
- グロースタータ形
- ラビットスタート形
- インバータ形
ラビットスタート形とインバータ形の蛍光灯器具に直管型LEDを設置する場合は、蛍光灯照明器具の改造が必要です。一見自分で簡単に交換できそうな器具や仕様でも、使用できない組み合わせでLED照明を装着すると、火災を引き起こす可能性もあります。
自分で交換可能なのか判断するには、専門知識が無ければ難しいです。また、蛍光灯器具の改造は、電気工事士の資格をもつものだけができる工事です。困ったら、専門家へ相談してください。
2-3| 高所はLED化を忘れがち!専門家に依頼しましょう
店舗内やオフィスのLED化を進めているところは多くあるのですが、駐車場の水銀灯や看板のハロゲンランプの交換を忘れがちなケースが意外に多いです。交換を忘れがちな場所は天高のある施設や高所が多く、駐車場、倉庫の軒下、荷捌所、倉庫、工場、各種作業所などがあります。
特に、敷地内駐車場、街路、公園、グラウンドなどで利用されている水銀灯は、2020年以降製造および輸出入が禁止になりました。これらをLED照明に交換することで、電力料金やメンテナンスのコスト削減につながります。また水銀に比べて明るさが増すことで視認性が良くなり、安全性も高まります。さらに、水銀に比べて虫が集まる紫外線や赤外線の放出が少ないため。虫が寄ってくることもありません。
高所の作業は危険で、照明器具も大きいため自分で交換することは危険を伴います。専門家に依頼しましょう。
3| 蛍光灯をLED照明に交換するときに考慮しておくとスムーズなこと
蛍光灯からLEDへの交換をスムーズに行うためには、事前に確認すべきことがあります。設置場所や照明の使用シーンに合わせて考えたり、現在使用中の蛍光灯や照明器具を見て確認することもあるので、時間に余裕をもって行いましょう。
3-1| ライトの明るさ
部屋の広さや使用シーンに合わせて、ライトの明るさを決めます。迷ってしまう場合は、日本照明工業会が部屋の広さごとに明るさの基準を発表しているので、参考にしてください。
4.5畳 … | 2,200lm〜3,200lm未満 |
---|---|
6畳 … | 2,700lm〜3,700lm未満 |
8畳 … | 3,300lm〜4,300lm未満 |
10畳 … | 3,900lm〜4,900lm未満 |
12畳 … | 4,500lm〜5,500lm未満 |
14畳 … | 5,100lm〜6,100lm |
LED照明の明るさは、光源全体から発せられる光の量を表した「ルーメン(lm)」という単位を使って表します。
LED照明は明るさを調節できる調光機能があるものが多いため、基準より少し明るく照らせる照明を選び、好みや使用シーンに合わせて明るさを調節する方法もおすすめです。
3-2| 色温度
LED照明の明るさを決めたら、色を選びます。LED照明は色温度という基準を元に、5種類の色があります。
電球色 | 電球のようなオレンジに近い色 |
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---|---|---|
温白色 | 夕方の日光に近い黄色 |
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白色 | 満月のような白色 |
|
昼白色 | 午前中の日光に近い、自然な白色 |
|
昼光色 | 晴れた日の正午の日光に近い、青白い色 |
|
使用シーンや演出したい雰囲気に合わせて、色を選びます。LED照明は色を調節できる調色機能が備わっているものもあるので、時間や使用者に合わせて色を変化させることも可能です。
また同じ明るさの照明を選んだ場合、電球色と昼光色では電球色の方が暗く感じます。色と明るさを合わせて考えることが大切です。
3-3| 電球型の場合は口金をチェック
電球型の場合は、ソケットに差し込む口金のサイズもチェックします。口金とはネジのようになった金属の部分です。口金のサイズは大文字のアルファベット「E」と2桁の数字で表されています。E26と記載があれば、口金の直径は26mmです。
口金サイズの確認方法は次の3つになります。
- 購入時の箱が手元にある場合……箱に記載されている「口金」や「E」から始まる2桁の数字を確認
- 今まで使用していた照明が手元にある場合……ガラス部分か口金辺りに記載してあることが多い
- 天井についている照明器具本体か説明書を見る……照明器具本体に記載してあることも。説明書には必ず記載されている。
もし、上記3点では確認できなかった場合、定規やメジャーを使って口金の直径を測って判断する方法もあります。
3-4| プロに依頼する場合の費用相場
直管型蛍光灯からLED照明に交換する場合、工事が必要になるケースがあります。バイパス工事と呼ばれる、蛍光灯器具に付いている安定器を使用せずにLED照明に電気を通すための配線工事です。
工事の必要性や工事なしで使用できるLED照明の選定には専門的な知識が必要となるため、プロに依頼するのが安全です。
バイパス工事の費用相場は、LED照明の本体代と作業費を合わせて、1箇所あたり3,000〜5,000円程度です。LED本体の価格によって費用は変動します。出張料金がかかる場合もあるので、工事を依頼する前に見積もりをとりましょう。
3-5| LED交換の工事業者選定ポイント
蛍光灯からLEDに交換する際の工事業者の選び方のポイントをご紹介します。
- LED工事の実績がある
- 見積もりの内容に納得できる
- 電気工事士の資格がある
- 損害補償に加入している
知識や経験が豊富で、LED工事の実績がある工事業者を選びましょう。ホームページに実績を掲載している場合もありますし、電話等で問い合わせて知ることもできます。
見積もりは全体の金額だけでなく明細も確認し、内容に納得できる業者に依頼しましょう。交換の箇所や個数があいまいだったり、実際に工事をしてみないと金額がわからない場合は、トラブルにつながる可能性があります。相見積もりをとって、複数業者でサービスや価格の比較をするのもおすすめです。
蛍光灯のLED交換工事には、電気工事士の資格が必要です。また業者が損害保険に加入していない場合、万が一工事中に建物や設備を破損した際に補償されず、トラブルになる可能性があります。細かいところまで確認し、信頼できる業者にLED交換を依頼しましょう。
3-6| 蛍光灯からLEDへ交換する手順
工事が不要で自分で蛍光灯からLEDに交換する際の手順は、従来の電灯の交換と同様です。照明のスイッチをオフにした状態で現在使っている蛍光灯を外し、対応しているLEDを取り付けます。取り外したものは自治体のルールに従って処分してください。
工事を必要とする場合、2つの方法が考えられます。
- バイパス工事を行う
- 照明器具を丸ごと取り替える
バイパス工事の場合は、安定器に電気が通らないようにする配線工事を行います。蛍光灯を外し、現在使用している配線を切ってつなぎ直してからLED照明を取り付けます。
照明器具を丸ごと取り替える場合は、現在天井に取り付けている器具を外し、新しい器具に合わせて天井の加工や配線を行い設置します。
3-7| LED交換後も長くお得に使っていくために大切なメンテナンス
蛍光灯からLEDに交換したあとも適切に使い続けるために、メンテナンスは欠かせません。トータルソリューションでは、LED照明の維持やメンテナンスのほか、最適な製品の提案などにも対応しています。LED導入による省エネ試算、明るさや色味による空間演出なども対応しているので短期間で理想に近い照明の選定も可能です。
また、複数業者と契約していると、トラブルの内容によって依頼先が異なる場合もありますが、トータルソリューションなら窓口の一本化も可能です。さまざまな電気トラブルへの対応や設備改修の相談から、空調やネットワーク、防災や給排水の設備に関することまで、幅広く対応しています。お困りごとは、トータルソリューションにご相談ください。
3-8| 蛍光灯からLEDに交換した後のLED交換について
LEDが長寿命といっても交換する時期はいつかやってきます。
早期にLEDを導入している企業でも、そろそろ交換を考える時期になっているかもしれません。使用環境にもよりますが、LEDの寿命が40,000時間と考えると、一般的な店舗で1日12時間使用したとして8年〜9年経つ頃が交換を考える時期です。
引っ掛けシーリングタイプや簡易型ダクトレールならば自分で交換ができます。ただし、一般的にLED照明の使用数は多いですし、手が届かないような高所の場合は転落のリスクがあるので、専門業者にお願いするのが得策でしょう。
また照明器具の中には、ランプだけ交換できるものと、そうでないものがあります。前者は自分で交換できる場合がありますが、後者の場合は、照明器具とLEDランプが一体となっている機種のためにLED照明器具ごと交換する必要のあるものがありますので専門業者に依頼をしなければなりません。
LED照明の改修の仕方によっては、安定器使用状況や配線関係など、専門業者でなければわからないこともあります。その時の施工業者でなくても調査・交換対応が可能ですので、お気軽に総合メンテナンスのトータルソリューションへご相談ください。
4| まとめ
蛍光灯をLEDに交換すると、省エネや電気代の節約になるだけでなく、明るさや色による空間演出などのメリットがあり、多くの施設で導入が進んでいます。
蛍光灯をLED照明に交換する際には、工事が必要になる場合もあります。工事が必要かどうか、工事せずに設置できるLED照明なのかの判断は専門的な知識が必要なこともあるので、一度プロに相談してみましょう。
トータルソリューションなら、工事に関することだけでなく、省エネ試算や最適な製品の提案、交換後の点検・メンテナンスなども対応しています。全国どこでも対応していますのでお気軽にご相談ください。
トータルソリューションでは、照明器具交換・安定器交換をはじめ漏電調査・修理などのトラブル駆けつけメンテナンスを24時間365日受け付けています。また、LED照明新規取付・交換工事、高圧受変電設備工事などの電気設備改修まで幅広く対応しております。オフィスや店舗環境を良くし、業務効率売り上げ向上のために電気設備の改善が必要な場合は、トータルソリューションにご相談ください。トータル的に長い目で問題解決を図ります。
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