
トラッキング現象の対策まとめ。起こりやすい時期・場所なども解説
公開日:2026年08月27日
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トラッキング現象とは、簡単に言うと、コンセントとプラグの間に溜まったホコリが湿気を帯びることをきっかけに、コンセントから火花が出る現象です。
トラッキング現象による火災事故のニュースを見聞きする機会があっても、「うちの会社は大丈夫だろう」と思っている方もいらっしゃるかもしれません。しかしながら、トラッキング現象は、いつ・どこで発生してもおかしくないため、決して「対岸の火事」ではありません。しかしながら、速やかに「プラグ・コンセントの清掃」や「トラッキング防止カバーの装着」などの対策を講じることで、事故を未然に防ぐことができます。
この記事では、トラッキング現象のメカニズムや起こりやすい時期・場所といった基礎知識をご紹介した上で、自分でできる対策や専門業者だからこそできる対策について解説します。
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- トラッキング現象による火災事故のニュースを見聞きし、自社の対策に不安のある方
- トラッキング現象の発生防止に向け、発生しやすい時期や場所、掃除の手順などをチェックリスト化したい方
- 対策を始めたいが、具体的にどのようなことから始めればよいのか見当がつかない方
- トラッキング現象の発生リスクを根本的に低減したい方
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1| トラッキング現象とは?そのメカニズム
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トラッキング現象とは、コンセントとプラグの間に溜まったホコリが湿気を帯びることが発端となって、コンセントから火花が出る現象のことです。火花が何度も発生してコンセントやプラグが激しく燃えたり、火花がホコリや紙、カーテンなどに引火したりすると、火災(トラッキング火災)が発生します。なお、トラッキング火災は、電気や電気設備・機器に起因する火災である「電気火災」の一つです。
トラッキング現象が発生するまでの流れは、以下のイラストの通りです。
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このイラストの裏側では、次のようなメカニズムが働いています。
トラッキング現象のメカニズム
- 湿ったホコリを通じて何度も電流が流れることで、絶縁部分が炭化する
- 絶縁部分が炭化した結果、電気が通りやすい「炭化導電路」という経路ができる
- 炭化導電路が「導線」の役割を果たし、絶縁限界を超えると大電流が流れる
- 激しい火花放電が発生し、トラッキング火災につながる
トラッキング現象の主な原因はホコリと湿気のため、ホコリ・湿気がたまりやすい場所で発生しやすいとされています。また、電気機器の電源がOFFでも、コンセントにプラグを挿しているだけでトラッキング現象が発生する可能性があるため、注意が必要です。
1-1| 梅雨時と冬場に起こりやすい
トラッキング現象が起こりやすいのは、梅雨時と冬場です。
梅雨時は他の時期に比べ、降水量が多く、湿度が高い傾向にあります。また、冬場は、窓際やエントランスなどで結露が発生しやすく、結露した箇所の周辺は湿度が高くなりやすいです。
こうした理由から、梅雨時や冬場は、トラッキング現象に特に注意が必要な時期といわれています。
ただし、これらの時期だけしかトラッキング現象が発生しないわけではありません。日本は地形的な理由などで湿度が高い国のため、年間を通して、トラッキング現象の発生リスクがあると覚えておきましょう。
1-2| トラッキング現象が発生しやすい場所
最初にお伝えしました通り、トラッキング現象はホコリ・湿気がたまりやすい場所で発生しやすいです。具体的には、特に以下のような場所で発生しやすいため、注意しましょう。
| 建物・施設 | トラッキング現象が発生しやすい場所の例 |
|---|---|
| 建物・施設全般 | ・結露しやすい窓やエアコンなどの周辺 ・給湯室(冷蔵庫や電子レンジ、ウォーターサーバー、電動コーヒーメーカーなどの周辺) ・自動販売機の裏側 ・加湿器の周辺 |
| 飲食店 | ・厨房の大型機器(業務用冷蔵庫、業務用オーブンなど)の周辺 ・焼肉店や中華料理店などのホール |
| 小売店・商業施設 | ・レジカウンター周辺 ・売場内の什器やショーケースの裏側 |
| オフィス | ・複合機の裏側 ・デスクの下 ・サーバールーム |
| 工場 | ・工作機械の周辺 |
「ほぼ全ての場所だ!」と驚いた方もいらっしゃるでしょう。「私たちが日常的に使っている場所のどこでも、トラッキング現象は起こり得る」と認識することが、トラッキング現象の防止に向けた第一歩となります。
1-3| トラッキング現象のサイン
以下のようなサインが見られる場合には、既にトラッキング現象が発生している可能性があります。
トラッキング現象のサイン
- 異臭や焦げ臭いにおい:コンセント周辺から、異臭やプラスチックが焼けるような臭いがする
- 異常な発熱:コンセントやプラグ、コードなどに触れたとき、いつもよりも明らかに熱い
- 変色や焦げ跡:コンセントの差込口やプラグの根元などが、茶色や黒色に変色している、または焦げ跡がある
- パチパチ音:コンセント付近から火花が散るようなパチパチした音が聞こえる など
こうしたサインが見られた際は、ただちに使用を中止した上で、専門業者に調査・修理を依頼するようにしてください。
1-4| トラッキング火災が発生すると、企業に与える影響は大きい
建物・施設内でトラッキング火災が発生した場合、企業にとっては以下のようなリスクが懸念されます。
トラッキング火災の発生によるリスク
- 施設・店舗などの営業停止:たとえボヤであっても、「消防・警察による実況見分」「消火器の粉末の清掃」「煙・臭いの除去作業」などが必要なため、営業停止は免れない
- 営業停止に伴う業務の停滞:営業停止期間中、「工場で製品を作れない」「リモートワークだけでは全ての業務はできない」といった問題が発生し、業務が停滞する
- 業務の停滞による取引への影響:業務が停滞した結果、「指定された納期に間に合わない」といった事態となり、取引に影響が及ぶ
- 大家さんへの賠償責任(賃貸物件の場合):賃貸オフィスなどの賃貸物件で火災が発生した場合、大家さんへの賠償責任(原状回復義務)を負う
- 死傷者が出た際の損害賠償責任:火災からの逃げ遅れで死傷者が出た際には、損害賠償を問われる可能性が極めて高い(死亡した方がいた場合には、一人当たり数千万円~1億円超の支払いが必要になるケースも多い)
- 企業イメージの悪化・社会的信用の失墜:火災によって死傷者が出たことが報道されれば、企業イメージの悪化や社会的信用の失墜を免れない
- 倒産リスク:上で紹介したリスクが重なった結果、企業によっては倒産を余儀なくされる可能性も否定できない など
このように、トラッキング火災が企業に与える影響はとても大きいです。リスク回避のためには、今すぐにでもトラッキング現象の防止対策を講じる必要があります。
2| 【自分でできる】トラッキング現象を防ぐための対策6選
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トラッキング現象を防ぐために、誰でもすぐにできることがいくつかあります。
トラッキング現象の防止対策
- 最大の原因であるホコリを定期的に取り除く
- 使用していないプラグをコンセントから外す
- 使用頻度の少ないコンセントにキャップを付ける
- プラグにトラッキング防止用のカバーを付ける
- 古い電源タップの使用をやめる
- たこ足配線をやめる(接続するコンセントの分散)
1つずつ、ご紹介します。
2-1| 最大の原因であるホコリを定期的に取り除く
トラッキング現象の対策として一番有効なのが、最大の原因であるホコリを定期的に取り除くこと、すなわちプラグやコンセントの掃除です。プラグやコンセントを定期的に掃除し、コンセント周りにホコリがたまらない状態を維持すれば、トラッキング現象の発生リスクを大幅に低減できます。
掃除頻度は、一般的なオフィスであれば、「半年~1年に1回」が目安とされています。大掃除での掃除を定番化しておけば、その半年後をめどにもう1回やるくらいで問題ないでしょう。
工場の場合、粉塵が多い作業エリアは「毎月~3カ月に1回」、その他のエリアは「半年に1回」が目安といわれています。この頻度を目安に、清掃を習慣化することをおすすめします。
2-1-1| 掃除手順
プラグやコンセントの掃除手順は以下の通りです。
掃除手順
- 掃除したいコンセントのブレーカーを落とす
- コンセントから、全てのプラグを抜く
- コンセントのホコリを、ハンディモップやエアダスターなどで取り除く
- プラグのホコリを、乾いた布で取り除く
- プラグやコンセントに目立った汚れがある場合には、水気を固く絞った雑巾で拭く
- 水気が完全になくなってから、プラグをコンセントに戻す
2-1-2| 掃除する際の注意点
プラグやコンセントの掃除をする際に警戒したいのが、感電リスクです。感電防止のため、以下の注意点を必ず守って掃除を行ってください。
注意点
- 焦げなどの異変があるコンセントには、手を触れない(自分で掃除しようとせず、すぐに専門業者に相談を!)
- 掃除したい箇所のコンセントのブレーカーを必ず落としてから、作業に移る
- 雑巾は、必ず水気を固く絞ってから使用する(水気を多く含んだ雑巾の使用は厳禁!)
- 水気が完全になくなるまでは、絶対に、プラグをコンセントに戻さない
2-2| 使用していないプラグをコンセントから外す
掃除以外にもできる対策があります。そもそもコンセント周りにホコリがたまりにくくなるよう、使用していないプラグをコンセントから外してしまうことです。
「1| トラッキング現象とは?そのメカニズム」でお伝えしたように、電気機器の電源がOFFでも、コンセントにプラグを挿しているだけでトラッキング現象が発生する可能性があります。そのため、不要なプラグは抜いておくのが鉄則です。
建物・施設内を見渡して、「使用していないプラグ」が見つかったら、速やかにコンセントから外してしまいましょう。
2-3| 使用頻度の少ないコンセントにキャップを付ける
日常的に使うわけではないものの、使用頻度の少ないコンセントには、キャップを付けましょう。コンセントにホコリや異物が入り込まないようにするには、差込口を塞ぐのが一番手っ取り早いためです。
「コンセントキャップ」は100円均一ショップやホームセンターなどでも、購入することができます。
2-4| プラグにトラッキング防止用のカバーを付ける
現在使用中のプラグにホコリをためないために活用したいのが、トラッキング防止用のカバーです。使用前後を比較すると、使用後の方が圧倒的にホコリがたまりにくいので、装着をおすすめします。
ホームセンターなどで、「トラッキング防止カバー」「プラグ安全カバー」といった名称で販売されています。使用している電気機器の数だけ購入・装着するのがベストではありますが、かなりの数になるかと思いますので、まずはトラッキング現象が起こりやすい場所から優先して対応を進めていくことをおすすめします。
2-5| 古い電源タップの使用をやめる
古い電源タップは使用しないようにしてください。
「電源タップは、壊れないし、ずっと使い続けられる」と思っている方もいらっしゃるかもしれませんが、実は、電源タップは消耗品です。
古い電源タップを使い続けると、以下のようなことが発生します。
古い電源タップを使い続けると起こること
- 樹脂やプラスチックが経年劣化し、「ひび割れ」を起こし、そこにホコリがたまる
- 樹脂やプラスチックが経年劣化することで、電源タップとプラグの間に隙間が広がり、ホコリがたまりやすくなる
- 絶縁体が経年劣化し、電気が流れたときにショートしやすくなる
これらはいずれも、トラッキング現象の発生につながってしまいます。
変色や変形などが見られる場合には、速やかに使用をやめ、新しい電源タップに交換してください。トラッキング防止機能付きの電源タップも販売されていますので、そのようなものを選ぶとより安心できるでしょう。
なお、古いコンセントでも古い電源タップと同様のことが発生します。ただし、コンセントの交換は「電気工事士」という国家資格の有資格者しかできないため、有資格者の在籍する専門業者への依頼が必要です。
2-6| たこ足配線をやめる(接続するコンセントの分散)
たこ足配線とは、テーブルタップやマルチタップを使って、一つのコンセントに複数の電気機器を接続することです。見落とされがちではありますが、たこ足配線をやめることも、トラッキング現象の防止につながります。
そもそも、たこ足配線だと挿されているプラグの数が多いですし、重みでプラグも緩みやすいので、どうしてもホコリがたまりやすくなります。そのため、たこ足配線を解消すれば、自ずとトラッキング現象の発生リスクを下げることができます。
たこ足配線をやめる方法として、真っ先にできるのが「接続するコンセントの分散」です。
なお、たこ足配線を根本的に解消するためには「コンセントの増設」が必要です。施工できるのは電気工事士に限られるため、有資格者の在籍する専門業者に依頼する必要があります。
3| トラッキング現象を根本的に防ぎたいなら、専門業者に依頼を!
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「2| 【自分でできる】トラッキング現象を防ぐための対策6選」では今日からでもできる対策をお伝えしましたが、トラッキング現象を根本的に防ぎたいなら、専門業者に依頼することをおすすめします。専門業者だからこそできる対策がいくつもあり、トラッキング現象の防止に極めて効果的なためです。
専門業者に依頼すれば、以下のような対策を行ってもらえます。
| 専門業者だからこそできる対策 | 説明 |
|---|---|
| コンセントの交換 | 経年劣化した古いコンセントを、新しいコンセントに交換することで、トラッキング現象の発生リスクを下げられる |
| トラッキング防止機能付コンセントの設置 | 従来のコンセントを撤去し、代わりにトラッキング防止機能が付いたコンセントを設置することで、トラッキング現象を防止できる |
| コンセントの増設 | コンセントを増やすことで、たこ足配線を解消でき、トラッキング現象の防止につながる |
| 放電検出ユニット(分電盤取付タイプ)の設置 | トラッキング現象のごく初期段階を認識できる放電検出ユニットを設置することで、トラッキング火災になる前に気付き、対処できるようになる |
| 定期的なメンテナンスの実施 | 定期的なメンテナンスにより、トラッキング現象につながるような異変を早期に発見でき、発生を未然に防ぐための修理・交換などができる |
私たちトータルソリューション株式会社も、これまでに多くの建物・施設で電気工事やメンテナンスのサポートを行ってきました。トラッキング現象をはじめ、電気設備について「どこに頼めばいいかわからない」「根本的な対策をしたい」といったお悩みがあれば、いつでもお力になります。小さな疑問でも構いませんので、何かお困りのことなどあれば、どうぞお気軽にご相談ください。
4| トラッキング現象を起こさないよう、速やかに対策を講じよう
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ホコリと湿気が主な原因のトラッキング現象は、梅雨時や結露する冬場に、ホコリがたまりやすい場所で発生する傾向があります。「自分の会社は大丈夫だろう」と油断すると、「営業停止」や「取引への影響」「多額の賠償責任」など、さまざまな重大リスクが懸念されます。対岸の火事と思わず、自分事として、速やかに対策を講じましょう。
今日からでも行っていただける対策としては、「プラグやコンセントの清掃」「プラグへのトラッキング防止カバーの取り付け」「たこ足配線の解消(接続するコンセントの分散)」などがあります。とはいえ、トラッキング現象を根本的に防ぎたいのであれば、専門業者への依頼をおすすめします。「コンセントの交換」「放電検出ユニット(分電盤取付タイプ)の設置」「定期的なメンテナンスの実施」など、専門業者だからこそできることがあり、トラッキング現象の防止にとても有効だからです。
自分でもできる対策と専門業者だからこそできる対策を組み合わせ、トラッキング現象の防止に努めましょう。
トラッキング現象を根本的に防ぐための対策を行いたい方は、トータルソリューション株式会社にご相談ください!経験豊富なプロが対応いたします。
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