
防災訓練(消火・避難・通報)の実施は企業の義務!進め方や消防用設備の確認ポイント
公開日:2026年09月29日

防災訓練の実施は、企業の義務です。実際に訓練を行っていても、「実施頻度が適切か」「訓練しないとどうなってしまうのか」など不安に感じることもあるのではないでしょうか。
この記事では、防災訓練の義務や訓練内容、防災訓練で見落とされがちな消防用設備の確認ポイントなどをご紹介します。
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- 「防災の日」や防災訓練の実施前後に、これまでの防災訓練の頻度・内容が適切かを改めて確認したい方
- 新たに防災訓練の責任者となり、訓練義務や訓練内容などを正確に理解することが急務となっている方
- 防災訓練を滞りなく進められるよう、計画から実施、振り返りまでの流れを把握しておきたい方
- 設備の確実な点検や、BCP(事業継続計画)の向上にもつなげたい方
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- 対象となるのは「防火対象物」に該当する建物です。実施頻度は、防火対象物の種別によって、「年2回以上」または「年1回以上」となっています。 ≪1章で詳しく読む≫
- 主な訓練は、「消火訓練」「避難訓練」「通報訓練」の3つです。この他、「応急救護訓練」や「情報収集訓練」などもあります。 ≪2章で詳しく読む≫
- 「訓練計画の作成」「シナリオ作成」「役割分担・社内周知」「訓練の実施」「振り返り・見直し」の順に進めます。シナリオに設備トラブルを盛り込むことで、訓練の実効性が高まります。 ≪3章で詳しく読む≫
- 防災対策の強化のためには、防災訓練に際して消防用設備の確認もすることが重要です。消防用設備の修理・交換は、資格と信頼を備えた専門業者に依頼します。 ≪4章で詳しく読む≫
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1| 防災訓練は企業の義務です!対象の建物や実施頻度など

防災訓練の実施は、消防法によって義務付けられています。
ここでは、防災訓練の対象となる建物や実施頻度などについて、ご紹介します。
1-1| 義務の対象は「防火対象物」
義務の対象となるのは、消防法上の「防火対象物」に該当する建物です。
防火対象物とは、防火管理者(消防計画の作成、防災訓練の実施を行う管理者)の選任や消防用設備の設置・点検などが義務付けられているような一定規模以上の建物が該当します。
防火対象物には、主に「特定防火対象物」と「非特定防火対象物」があります。
| 定義 | 具体例 | |
|---|---|---|
| 特定防火対象物 | ・不特定多数の方が利用する事業所 ・利用者はある程度固定されているものの、迅速な避難が難しい方(傷病者、高齢者、乳幼児など)が主に利用する事業所 |
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| 非特定防火対象物 | ・利用者がある程度固定されている事業所(特定防火対象物に該当する建物は除く) |
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なお、雑居ビルのように1つの建物の中に、飲食店や小売店、事務所など2つ以上の異なる用途が含まれている建物を「複合用途防火対象物」といいますが、こちらも防火対象物ですので、訓練義務の対象です。
小規模な店舗・事務所であっても、複合用途防火対象物の一テナントであれば、該当の建物全体での訓練への参加義務がありますので、忘れずに参加しましょう。
また、複合用途防火対象物は、「特定複合用途防火対象物」と「非特定複合用途防火対象物」に細分されます。
| 定義 | 具体例 | |
|---|---|---|
| 特定複合用途防火対象物 | 複合用途防火対象物かつ、特定防火対象物が1つでも入居している建物 | ・1階に事務所、2階に飲食店、3階~4階にカラオケボックスが入居している雑居ビル ・1階にコンビニが入居しているオフィスビル など |
| 非特定複合用途防火対象物 | 複合用途防火対象物かつ、非特定防火対象物のみが入居している建物 | ・1階には倉庫のみ、2階~4階には事務所のみが入居しているオフィスビル ・1階には不動産会社と管理人室のみ、2階以上は居室のみがあるマンション など |
1-1-1| 【推奨】全ての建物で実施を!
防火対象物に該当せず、訓練の実施義務がない建物であっても、訓練の実施は、強く推奨されます。
防災の本質的な目的は、法令の規定に関わらず、災害発生時に「即座に避難する」「正しく通報する」といった具体的な行動を迷わずとれる状態を維持することにあります。平時から訓練を積み重ね、身体で手順を覚えておくことは、利用者の命を守るための最も確実な安全対策であり、万が一の際の法的・社会的リスクを最小限に抑えるための必須の管理項目と言えます。
1-2| 訓練の実施頻度
実施頻度は、防火対象物の種類(特定・非特定)により規定されています。特定防火対象物と非特定防火対象物は、「利用者の多くが避難経路や非常口を認識しているか」「主な利用者が、自力で迅速な避難が可能か」といったリスク特性に基づいた分類であり、火災時の危険度に応じて最適な実施頻度が設定されているためです。
また、「2| 防災訓練にはどんな種類がある?」でご紹介する防災訓練の種類によっても、違いがあります。
実施頻度は、以下の通りです。
| 消火訓練・避難訓練の頻度 | 通報訓練の頻度 | |
|---|---|---|
| 特定防火対象物 および 特定複合用途防火対象物 |
年2回以上 | 消防計画(※)に定めた頻度 |
| 非特定防火対象物 および 非特定複合用途防火対象物 |
年1回以上 | 消防計画に定めた頻度 |
※消防計画:火災の発生防止および火災が発生した際の被害抑制を目的に、事業所や建物ごとに定める計画のこと
なお、実際には、通報訓練は消火訓練・避難訓練と同時実施するのが一般的となっています。
1-3| 防災訓練の重要性
企業の義務である防災訓練ですが、以下の観点からも、とても重要なものとされています。
| 防災訓練がなぜ重要か? | 説明 |
|---|---|
| 従業員やお客様の命を守るため | 企業には従業員やお客様の命を守る責任がある。 さまざまな災害を想定し、実際に消火器の使い方や非常口からの避難などを体験することで、災害発生時に迷わず行動できるようになり、命を守れる。 ただし、大前提として、非常時に使う消防用設備が正常に動いてこそ、実効性のある訓練となる! |
| 事業継続計画(BCP)の実効性を高め、事業を継続・早期再開するため | BCPに防災訓練を盛り込み、定期的に訓練を実施することが、災害時における事業の継続・早期再開の要となる。 ただし、消防用設備(火災報知器や誘導灯など)に不具合があるなど非常時への備え・対策が不十分だと、BCPは絵に描いた餅になりかねない! 防災訓練は、非常時の行動手順を確認する機会であるだけでなく、消防用設備が正常に動くかをテスト・点検する機会としても重要である。 |
| 全社的に防災意識を高めるため | 災害はいつ・どこで発生するか予測できない。また、国内で大きな災害が発生しても、時間の経過とともに災害の記憶や防災意識は薄れてしまう。 防災訓練を定期的に実施することで、全社的に防災意識を高めることができる。 |
| 企業の社会的責任(CSR)を果たすため | 定期的な防災訓練の実施は、地域社会への貢献にもつながる。 防災訓練の定期的な実施により、近隣で火災が発生した際に初期消火や避難誘導で協力できる体制を築くことは、地域社会の安全・安心な環境づくりに大きく寄与する活動となる。 |
従業員やお客様、企業、地域社会にとって重要なものであるため、全従業員が意欲的に取り組めるよう働きかけるとよいでしょう。
1-4| 防災訓練を行わないとどうなる?
防災訓練を行わないと、以下のようなリスクが懸念されます。
防災訓練を実施しないリスク
- 消火器の使い方がわからず、初期消火に失敗する
- 避難経路がわからず、避難が遅れる
- 初期消火の失敗や逃げ遅れにより、死傷者が出る
- 「避難計画の実効性のなさ」や「防災グッズの準備不足」などを確認できないため、災害発生時の事業の継続・再開に支障をきたす
- 法律違反となり、罰金または拘留が科される可能性がある など
こうした重大リスクを回避するためにも、訓練を確実に実施しましょう。
2| 防災訓練にはどんな種類がある?

防災訓練にはいくつか種類がありますが、中でもメインとなるのが「消火訓練」「避難訓練」「通報訓練」の3つです。なお、3つの訓練をハイブリッドにして、火災などの災害発生から避難完了までの一連の流れに沿って実践する訓練を「総合訓練」といいます。
その他の訓練も、企業にとって重要なものですので、各訓練の概要をご紹介します。
2-1| 消火訓練
消火訓練とは、火災発生時における初期消火の具体的な方法などについて理解するための訓練です。訓練の目的としては、以下の3つがあります。
目的1:初期消火方法の実践的な習得
消火器や屋内消火栓設備を用いて、初期消火方法を実践的に習得します。「マニュアルは読んだことがあるけれど、実際に使ったことはない」といった状態ですと、火災発生時に使用方法がわからず、初期消火に失敗してしまうためです。
本物の消火器ではなく、水と空気のみが入った「訓練用消火器」を使っても問題ありません。防災専門通販サイトで購入する他、消防署・防災協会から無償で借りることもできますので、問い合わせてみるとよいでしょう。
目的2:初期消火の鉄則の周知徹底
「自分の背丈以上に火が大きくなったら、初期消火を中断し、ただちに避難する」という初期消火の鉄則を周知徹底します。火が大きくなり過ぎた状態ですと、消火器の能力の限界を超えていますし、天井に火が届いて一気に燃え広がる危険性が高いため、避難を最優先する必要があります。
目的3:消火設備の設置場所の再確認
消火器や屋内消火栓設備の設置場所についても、訓練時に改めて、確認・共有します。そうすることで、火災発生時に速やかに初期消火を開始できます。
2-2| 避難訓練
避難訓練とは、火災や地震などが発生した際に、建物・施設内にいる全員を建物・施設から安全かつ迅速に避難させるための訓練です。訓練の目的としては、以下の3つがあります。
目的1:避難経路・非常口や役割の確認
誘導灯の設置場所や避難経路・非常口を確認した上で、「避難経路を通り、非常口から外に出て、避難場所で待機する」という避難の流れを体験します。
避難誘導班の従業員には、他の従業員たちの避難誘導を実際に行ってもらいます。そうすることで、「避難する側」「避難を促す側」の双方が、迅速な避難に必要な行動を習得できます。
目的2:避難器具の体験
可能であれば、避難はしごや救助袋といった避難器具を実際に使用してみます。訓練中の事故防止のため、消防署員や消防設備士の立ち合いのもとで実施するようにしてください。
目的3:避難経路上の環境確認
避難経路上に、避難の邪魔となるような家具・荷物などが置かれていないか」を確認します。避難の妨げとなるようなものが放置されたままですと、避難の遅れや避難中のケガに直結するためです。
2-3| 通報訓練
通報訓練とは、災害発生時や負傷者発見時における119番通報の方法などを習得するための訓練です。訓練の目的としては、以下の2つがあります。
目的1:ロールプレイングによる119番通報手順の習得
従業員同士で「通報者役」「消防署員役」と役割を決めてロールプレイングし、119番通報の手順を習得します。「電話するだけだから訓練しなくても大丈夫」と思っていると、災害発生時や負傷者発見時にパニックに陥り、迅速・的確な通報ができない可能性があるためです。
具体的には、「休憩室のコンセントから発火し、煙が充満している」「地震で家具が転倒し、従業員が下敷きになった」といった緊急事態を想定して、ロールプレイングをします。
消防署への事前予約が必要ですが、消防指令センターへ本番さながらの模擬通報をすることも可能です。従業員同士のロールプレイングよりも、緊張感のある実践的な訓練となります。
目的2:自動火災報知設備・火災通報装置の使用方法の確認
操作マニュアルを見ながら、自動火災報知設備や火災通報装置の使用方法を確認します。
なお、訓練中に自動火災報知設備や火災通報装置を実際に使用したい場合は、誤通報を防ぐための連動停止などの事前準備や手順を把握しておくことが不可欠です。また、消防署への事前連絡・相談も確実に行いましょう。
2-4| その他の訓練
上述した訓練の他に、「応急救護訓練」「安否確認訓練」「情報収集訓練」「帰宅困難者対策訓練」があります。
| 訓練名 | 概要 | 訓練内容の例 |
|---|---|---|
| 応急救護訓練 | 災害などによる負傷者への応急手当の方法を習得するための訓練 |
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| 安否確認訓練 | 災害発生後に従業員の安否確認を迅速に行えるようにするための訓練 |
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| 情報収集訓練 | 災害時に必要となる情報(安否状況、災害情報、被害情報など)を迅速かつ正確に収集・伝達できるようにするための訓練 |
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| 帰宅困難者対策訓練 | 災害発生に伴い、従業員やお客様が帰宅困難者となった場合を想定しての訓練 |
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これらの訓練については、明確な法的義務がありません。しかしながら、いざ災害が発生した際には、こうした訓練を実施してきたかどうかによって、現場の混乱度合いが大きく変わってきます。従業員やお客様を守るために不可欠な訓練と認識し、消火訓練・避難訓練・通報訓練と併せて実施することが望ましいです。
なお、人命にかかわる訓練である応急救護訓練については、消防署に訓練を依頼することを推奨します。訓練が可能な場所を確保できれば、ご自身の建物内で出張講習が受けられますので、お近くの消防署に一度相談してみるとよいでしょう。
3| 【5ステップ】防災訓練の進め方

防災訓練は、以下の5つのステップで進めます。
| ステップ | やること | 説明 |
|---|---|---|
| 1 | 訓練計画の作成 | ・以下の項目からなる訓練計画を作成し、訓練の全体像を明確化する
【訓練計画の項目】
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| 2 | シナリオ作成や付随する作業 | ・訓練計画をベースに、当日の動きを時系列で記した「シナリオ」を作成する(防災マニュアルがある場合は、それも踏まえて作成する) ・シナリオには、「災害発生からの経過時間」「その時点での状況」「担当者・役割」「具体的な行動内容」を記載する ・訓練で用いる道具(メガホン、消火器など)をリストアップし、確認・準備を進める ・「自衛消防訓練通知書」という文書を作成し、訓練日の7日前までをめどに消防署に提出する |
| 3 | 役割分担や社内への周知 | ・「全体責任者」「連絡通報班」「初期消火班」「避難誘導班」「応急救護班」といった役割を誰に担ってもらうかを決める ・役割を担うことになった従業員に個別連絡をする(役割や当日の具体的な動きなどを共有) ・全従業員を対象に、訓練の実施日時や内容、目的などを共有する ・訓練に誰が参加/不参加となるかを確認する(期限を設けて、従業員に回答してもらう) |
| 4 | 訓練の実施 | ・シナリオに従い、訓練を実施する ・訓練中に何か気になったこと(避難に時間がかかりすぎた、通報内容が不十分だったなど)があれば、メモを残す |
| 5 | 振り返り・見直し | ・参加者へのアンケートや関係者での反省会により、課題を明確化する ・課題をどう改善していくかを検討・決定する ・改善内容を、次回の訓練計画や企業の防災マニュアル、BCPに落とし込む |
一つひとつのステップを丁寧に実践していくことが、より安心できる訓練の実現や災害時の迅速・的確な行動につながります。
3-1| まずはオーソドックスなシナリオで訓練を実施
オーソドックスなシナリオに基づく訓練の実施は、災害発生時の基本的な行動パターンを習得するという意味では、とても有効です。
オーソドックスなシナリオの例
| 経過時間 | 状況 | 担当者 | 行動内容 |
|---|---|---|---|
| 00:00 | 給湯室のコンロから発火、煙が広がり始める | 発見者 | ・「火事だ!」と叫ぶ ・近くにある非常ベルを鳴らす |
| 00:30 | 初期消火を開始する | 初期消火班 | ・消火器で初期消火を試みる |
| 00:45 | 火が消えないため、避難開始と消防への通報を判断 | 初期消火班 | ・初期消火の失敗を全体責任者に伝達 |
| 全体責任者 | ・避難誘導班と連絡通報班に対応を指示 | ||
| 01:00 | 避難開始と消防への通報を同時に進める | 避難誘導班 | ・従業員に避難開始を指示し、避難誘導を行う |
| 連絡通報班 | ・避難しつつ、携帯電話で消防署に火災発生を通報 | ||
| その他従業員 | ・迅速に避難を開始する | ||
| 02:00 | 避難を完了 | 全体責任者 | ・全員が避難完了できているか、人数を確認する |
まずは、このようなシナリオを作成し、訓練を実施することをおすすめします。
3-2| シナリオに一工夫をすると訓練の実効性が高まります!
実際の災害時には、以下のようにイレギュラーな事態が発生することもあるでしょう。
イレギュラーな事態の例
- 非常ベルを押しても音が鳴らない
- 消火器のレバーを握ってもなかなか噴射されない
- 誘導灯が点灯しない など
こうした設備トラブルをあえて盛り込んだシナリオにしておくことで、訓練の実効性が高まります。
先ほどのシナリオに、設備トラブルを盛り込むと、以下のようになります。
設備トラブルを盛り込んだシナリオの例
| 経過時間 | 状況 | 担当者 | 行動内容 |
|---|---|---|---|
| 00:00 | 給湯室のコンロから発火、煙が広がり始める | 発見者 | ・「火事だ!」と叫ぶ ・近くにある非常ベルを押すも、ベルがならない ・近くの部屋のドアを叩き、「給湯室で火事だ!」と大声で伝える |
| 00:30 | 初期消火を開始する | 初期消火班 | ・消火器で初期消火を試みる ・消火器のレバーを握っても、噴射されない |
| 00:45 | 火が消えないため、避難開始と消防への通報を判断 | 初期消火班 | ・消火器が動かず、初期消火できないことを全体責任者に伝達 |
| 全体責任者 | ・避難誘導班と連絡通報班に対応を指示 | ||
| 01:00 | 避難開始と消防への通報を同時に進める | 避難誘導班 | ・従業員に避難開始を指示し、避難誘導を行う ・誘導灯が点灯しないため、「あちらの方向に非常口があります!足元に気を付けて、避難をしてください!」と大声で案内する |
| 連絡通報班 | ・避難しつつ、携帯電話で消防署に火災発生を通報 | ||
| その他従業員 | ・迅速に避難を開始する | ||
| 02:00 | 避難を完了 | 全体責任者 | ・全員が避難完了できているか、人数を確認する |
※太字が元のシナリオからの変更箇所
毎回、このようなシナリオが必要なわけではありません。しかしながら、時折こうしたシナリオで訓練を実施すれば、訓練のマンネリ化を防ぎ、従業員の防災への関心を高めることができます。「2回~3回に1回は、イレギュラーな事態を想定したシナリオにする」など、工夫してみることが、いざという時への備えとなるでしょう。
4| 【重要】防災訓練では消防用設備の確認も大切!

防災訓練では、シナリオ通りに訓練を進めることだけに集中しがちですが、消防用設備を確認することも、とても大切です。
消防用設備の不具合を長い期間放置したままですと、以下のようなリスクが懸念されます。
消防用設備の不具合を放置し続けるリスク
- 火災発生時に消火器から消火液が噴霧されず、初期消火ができない
- 誘導灯が点灯せず、避難に遅れが生じる
- 自動火災報知設備が機能しなくなり、初期消火や避難に影響が出る など
これらが現実になってしまうと、たとえ訓練をしっかり行っていても、消火や避難に重大な影響が出てしまうことは避けられません。「防災訓練の実施」というソフト面と、「消防用設備の確認」というハード面の両方をしっかりすることにより、企業の防災対策をより強化できるでしょう。
ここでは、消防用設備のセルフチェック項目や不具合が見つかった場合の対応をご紹介します。
4-1| 消防用設備のセルフチェック項目
各種訓練の実施に際して、消防用設備を以下のようにセルフチェックすることをおすすめします。
| 消防用設備 | セルフチェック項目の例 | |
|---|---|---|
| 消火訓練 | 消火器 |
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| 屋内消火栓設備 |
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| 避難訓練 | 誘導灯 |
|
| 避難器具 |
|
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| 通報訓練 | 自動火災報知設備 |
|
| 火災通報装置 |
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なお、感電や機器の誤作動といったリスクがあるため、ご自身で消防用設備の内部を直接触ることのないようにご注意ください。
4-2| 不具合が見つかったらどうする?
消防用設備の設備の不具合は、「訓練の計画・準備段階」または「訓練中」に発見されることが一般的です。気付いたタイミングによって、必要な対応は変わってきます。
4-2-1| 訓練の計画・準備段階で気付いた場合の対応
訓練の計画・準備段階に不具合を見つけた場合には、以下のような対応が必要です。
基本的な対応
- 【不具合状況の記録】どの設備にどういった不具合があるのかを、写真やメモに残す
- 【訓練実施可否の判断】設備に不具合がある中、訓練を実施できるのかを判断する
- 【内容変更要否の検討】設備の不具合に伴い、訓練内容を変更する必要があるのかを検討する
- 【従業員への周知】訓練時に誤って触ることなどがないよう、どの設備に不具合があるかを従業員に周知する
上記のような不具合に気付いた時点で専門業者に相談し、不具合の程度を確認してもらうことをおすすめします。
診断結果を踏まえた対応方針の目安を、以下の表にまとめました。状況に合わせてご確認ください。
| 不具合の程度 | 対応 |
|---|---|
| 重大な不具合 | ・早急に、専門業者に修理・交換を依頼する ・訓練時に該当の消防用設備を使用しなくて済むよう、訓練内容を見直す |
| 重大ではない不具合 | 【訓練日まで日がある場合】 ・訓練に先立ち、専門業者に修理・交換を依頼する |
| 【訓練日まで日がない場合】 ・訓練終了後に速やかに修理・交換してもらえるよう、専門業者とあらかじめ日程調整をしておく |
4-2-2| 訓練中に気付いた場合の対応
訓練中に不具合に気付いた場合には、以下のような対応が必要になります。
基本的な対応
- 【不具合状況の記録】どの設備にどういった不具合があるのかを、写真やメモに残す
- 【専門業者への修理・交換依頼】訓練終了後、速やかに専門業者に修理・交換を依頼する
- 【消防署への連絡】不具合により誤って119番通報してしまった場合、ただちに消防署に連絡し、火災ではないことを伝える
基本的には、訓練を継続して問題ありません。ただし、「その設備が動かないと訓練が成り立たない」という場合には、訓練を変更または中断することになります。また、「不具合により、スプリンクラーが誤作動を起こし、散水されてしまった」といった事態が発生した場合には、従業員のパニック抑止のため、ただちに訓練を中止する必要があります。
4-3| 修理・交換は、資格と信頼を備えた専門業者へ依頼を!
消防用設備の修理・交換は、資格と信頼を備えた専門業者への依頼が鉄則です。
そもそも、消防用設備の修理・交換を行えるのは、「消防設備士甲種」という国家資格の有資格者に限られます。また、配線工事などの電気工事が発生する場合、「電気工事士」という国家資格も必要です。そのため、有資格者の在籍する専門業者に依頼するのが、企業の基本的な対応となります。
ただし、専門業者であればどこでもよいというわけではありません。大切な人命や建物を守るためにも、信頼できる専門業者に依頼するようにしましょう。
具体的には、以下のような観点から複数の専門業者を比較検討することをおすすめします。
専門業者を比較検討する際の観点
- 見積書に透明性があるか(内訳が明記されているか)
- 作業完了後、写真付きの作業完了報告書をもらえるか
- 作業の正確さ・丁寧さなどに定評があるか
- 24時間365日受付対応をしているか など
4-3-1| 電気設備の工事・改修もできる専門業者が最適!
依頼先を選ぶ際にチェックしておきたいポイントは、電気設備の工事・改修にも対応しているかです。
実は、屋内消火栓設備や自動火災報知設備、誘導灯などは、電気系統の不具合があると正常に機能しません。そのため、消防用設備のみならず、電気設備の修理・更新も必要になるケースも多々あります。
消防用設備と電気設備で依頼先を分けることも可能ではありますが、手間や時間がかかるだけで、メリットは特段ありません。修理・交換依頼の円滑化や工事スケジュール管理の容易化のため、消防用設備と電気設備の両方に対応している専門業者に依頼することをおすすめします。
業者選定に迷われた際は、当サイトを運営するトータルソリューション株式会社も防災設備・電気設備のいずれにも対応しておりますので、お気軽にご相談ください。
5| 防災訓練は重要!消防用設備の確認もお忘れなく

企業にとって、防災訓練は「義務」であるだけでなく、災害時に従業員やお客様の命を守り、事業の継続・早期再開を図るために不可欠な「生命線・土台」でもあります。非常に重要ですので、適切に実施しましょう。
また、防災訓練は、消防用設備の状態を確認するテストでもあります。訓練に先立っての「セルフチェック」と、専門業者による「設備の保守」を組み合わせて、企業の防災レベルを一段階引き上げましょう。
消防用設備の不具合に気付いたら、経験豊富な専門業者に相談し、修理・更新をしてもらいましょう。
なお、屋内消火栓設備や自動火災報知設備、誘導灯などは、電気系統の不具合があると正常に動きません。その場合には電気設備のメンテナンスも必要になりますので、消防用設備と電気設備の両方に対応している専門業者への依頼をおすすめします。
トータルソリューション株式会社では、消防用設備の点検やメンテナンス、設備更新、増設・移設工事などを行っております。
また、弊社は消防設備の点検や工事の他にも、電気設備や空調設備など、建物設備の総合メンテナンスを全国対応で行っております。電気設備の設置・修理・交換や点検なども窓口一本でご依頼いただけるうえ、24時間365日、受付窓口を設けているため、突然のトラブルにも迅速に対応が可能です。
施工完了後には、施工前後の写真を含む完了報告を実施しておりますので、ご依頼いただいた企業様にご安心いただいております。
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